会長のUです。(最初にことわりがない限りは、いつもUの書き込みですが。)
先日、各国の実演家の2次使用料を受け取る権利について、まとめていました。メキシコの法律があいまいなので、メキシコ担当の人と話し合いました。もっと詳しく調べてはっきり書いてもらおうと、いろいろ話したのですが、最後には私の方が説得されました。
メキシコはWPPTという条約に加入していますが、だからといって、関連法律条項を条約が効力を持つ方向で解釈するなんてことはしないのだそうです。日本は真面目な国だし、憲法で条約は誠実に実施しろとか書いてあるし、批准した条約はそのまま効力を持つこともあるし、必要であれば立法で実施を確保しますよね。(かなり言葉使いが不正確ですが。)でも、そういう国ばかりではないということを、深く理解するにいたりました。メキシコでは、著作権のことなんか、あまり大事じゃないんだそうです。皆、生活していくことがたいへんで、もっと生活上の大事なことがたくさんあるのだそうです。条約に加入したって、加入することでイメージが良くなるからとか、他の理由で加入していることも多く、メキシコがサインした条約で、立法措置もなく放って置かれている条約はたくさんあるのだそうです。実演家に関する法律の条項も、判決でも出ない限りは、あいまいならあいまいなままに理解しておくのが良いのであって、はっきりさせたくないのが立法者の意思かもしれないとのことです。
他の例として聞いたのが、題名の発言です。
メキシコはいるかを保護する条約に加入してるが、いるかのことなんか誰も気にしていない。漁師は魚を獲って生計を立てるので精一杯だ。政府も条約を実施する(いるかを保護する)お金もない。国民も大事なことだと思っていない。メキシコがその条約に加入したのは、加入しないとアメリカがツナのメキシコからの輸入を禁止すると圧力をかけたからだ。(だから加入はしたが、実施する努力をするつもりはあまりない。)
彼は、途中でポリティカリーコレクトになろうとして、「いや、漁師以外の一般国民はいるかのことは気にしていないわけではないけど」などと言い出しました。私は「私は捕鯨の伝統を持つ国から来た人間だから、そんな風に気にしなくていいよ」と言おうかと思いましたが、本題からはずれるので言いませんでした。でも、表題の発言で笑い転げてしまいました。(かなりダークなユーモアのセンスでしょうかね。)
*この内容は私的会話を改ざんして作ったものですので、あまり真面目に取り扱わないで下さい、念のため。