子供の頃からずっと観続けてきたからだろうか。
画面の向こうにいる「トルフィン」という一人の男の生き様に、これほどまでに深く感情移入し、胸を揺さぶられるとは思ってもみなかった。
振り返れば、幼少期の彼はただのやんちゃできかん坊な、どこにでもいる愛らしい少年だった。
しかし、偉大な父・トールズの理不尽な死が、彼の運命を狂わせる。父の仇である敵、アシェラッドを己の手で殺すためだけに、彼は戦場を駆ける冷酷なヴァイキングの修羅へと身を投じた。
だが、あの皮肉な関係こそが、トルフィンのすべてを形作ったのだと思う。
仇でありながら、どこか父親のようでもあったアシェラッド。彼は最期までトールズとの約束を守り続けるかのように、戦い方、生き方、そして世界の厳しさのすべてをトルフィンに授けて逝った。
すべてを失い、復讐の目的すら奪われ、地獄のような精神的葛藤の中で奴隷へと身を落としたシーズン2。
そこでトルフィンは、かつて奪ってきた命の重さに苛まれ、血の滲むような日々を切り抜けていく。
そこでトルフィンは、かつて奪ってきた命の重さに苛まれ、血の滲むような日々を切り抜けていく。
そして、ようやく辿り着いた。
かつて父・トールズが遺した、あの言葉の意味に。
「本当の戦士に、剣など要らぬ」
ケティル農場での暴力をただ耐えたあの時。そして何より、あの「熊殺し」の異名を持つ大男・ドロットからの強烈な鉄拳を、無抵抗で100発耐え抜いたあの伝説のシーン。
かつての彼なら、間違いなく短剣を抜き、10倍にして相手の腹をぶっ刺して終わらせていただろう。武器を持てば一瞬で殺せる。だが、あえてそれを選ばない。
ボロボロになりながらも、ただただ相手の暴力をその肉体で受け止め、立ち上がり続けたトルフィンの気高さに、周囲の戦争狂いたちが静まり返り、敵に「お前は殺したくない」とまで言わしめたあの瞬間。
暴力に暴力で返すのではなく、その覚悟で相手の戦意を完全に消し去ってみせた彼こそが、まぎれもない「本当の戦士」だった。
いくつもの過酷な試練を乗り越え、泥をすすりながら、男として、人間として精神的にここまで這い上がってきたトルフィン。
その姿は、文句なしに最高にカッコいい男。
父からアシェラッドへ、そして奴隷の地獄を経て覚醒したトルフィンの旅路。
彼の真の成長物語は、きっとここからさらに新しい大地へと続いていく。
だからこそ、期待せずにはいられない。
あの感動の続きを、彼が目指す争いのない理想郷への旅路を、いつか必ず「シーズン3」としてアニメで魅せてくれる日が来ることを、心から願っている。