​人生一の幸せから人生一の不幸まで、たった8ヶ月。

私は一度に彼氏、親友、家、仕事、お金、生きる意味を失いました。



彼との出会いは2025年、夏。この出会いが、私に人生一の幸せと人生一の不幸をもたらす。



あ、好きだ。とても好みの顔だ。でもたいていカッコイイと思った人は自分の事を好きになってはくれない。明るくて、人当たりがよくて、口がうまくて、あー、彼のこと好きな人たくさんいるだろうな。


看護師3年目。22歳。就職のために大阪に出てきた。出身地の田舎にはない娯楽、経験してこなかった夜の街。全てが新鮮で楽しかった。中学からの親友二人も同じ職業で、関西に出てきている。数ヶ月に1回は遊ぶし、旅行だって国内外問わず楽しんでいた。仲の良い同期もいるし、先輩も優しい。仕事も慣れてきた。あとは彼氏を作って、結婚!といっても25まではいいかな。いい出会いがあればいいなとなんとなく思う程度。だれかれ構わず遊ぶのは嫌。誠実な恋愛がしたい。人生楽しんでいた。そんな自信があった。

だが一年後、私は暗闇の中にいる。


彼との出会いは友達と行った相席屋。食後のデザートを食べに行った。相席に来る人なんてどうせ遊んでるんだから、とりあえず楽しくしゃべって美味しく飲めればいい。ただ、一夜限りのそういうことを求めて来る人もいるわけで、、。初対面なのに太ももに手を置いてくる人、距離を詰めて来る人。ここから出ようと誘ってくる人。まあこんなもんだろう。


3組目、男性二人組の席へ。

若干一目惚れ。初めてだった。

適度に保たれた距離。なんだか余裕があってスマート。私が経験不足なだけかもしれないけれどおしぼりの封を切って私に渡してくれる。そんな小さな気遣いに、簡単になびいてしまった。

でも所詮相席屋での出会い。本気になることはない。今夜は楽しかった。ただそれだけ。連絡先だけ交換して夜も更けないうちに帰った。



今度二人でごはん行かない?

彼から連絡があって、何か始まりそうな予感がした。普段なら絶対行かないけど、私も会いたかった。


この日なら空いてるけど


仕事終わるの遅いから20時に大阪駅集合でいい?


分かった。



-当日-


大阪駅のどこに集合しよっか


19時に送ったLINE、既読がつかない。もう家をでなければ20時に集合できない時間になっている。


ごめん、仕事が長引いて、21時でもいい?

そう連絡が返ってきたのは20時半を過ぎた頃。


メイクも着替えもして、髪も巻いて、お気に入りの香水、アクセサリーを付けて後は家を出るだけ!の状態から1時間半も経っていた。

そっちから誘っておいて連絡が遅すぎる。私は明日も仕事なのに、、。


それだと遅いから今度にしよ!


今度といいつつ、もう次はないな、と思いながら今日の約束をなしにした。


来週だといつ空いてる?

1ヶ月後に来たLINE。この前みたいになるのが嫌だったので、全部埋まっていると返信した。


今週はいつ空いてる?

数週間後にまた誘われた。適当に断っていればどうせ興味が無くなるだろうと思っていたのに。この積極性に押されてしまった。

当日、私はまたとびきりの私を作った。前回のことがあったとはいえ、好みの顔とデートにいけるなんて、わくわくしていた。


でも、約束の時間が近くなっても返信がない。前回のことが頭によぎったので、返信が来てから家を出ようと思っていた。約束の時間を過ぎても、返信はない。またこれか、お風呂入ろ。

2時間かけて作り上げたとびきりの私をシャワーで流す。


返信が来たのは0時過ぎだった。

残業になってしまって、、本当にごめん。


なぜ確実に大丈夫な日を言ってこないのか、もう呆れた。なしだ。まあ本気で恋愛しようとしてたわけじゃないし、ただ好みの顔とごはん行けたらいいな、ぐらいだったしな。


もう終わりだと思っていたのに、その後も定期的に誘ってくる。全て断った。ブロックすればいいのに、この求められてる感じが私は好きだった。


夜勤の仮眠休憩中、スマホがなった。

また彼からだ。


今週空いてない?


この夜勤が終われば予定はないし、いっか。ちょっと深夜テンションで


明日の夜ならいいよ。


どうせ急だし無理だろう。もうブロックしようかな。そう思っていると


空いてる!


と返信があった。


明日仕事?それならやめとこ。またドタキャンだるいし。


率直にすこし棘のある言い方をした。


絶対大丈夫!もう仕事終わってるから!


最後にもう一度信頼し、約束した。



再会した。相席屋での出会いから3ヶ月。季節は夏から秋を経て冬に移ろうとしていた。

久しぶりに会った彼は、やっぱりかっこよかった。綺麗な顔立ちで好きな俳優に似ている。記憶は美化されるものだから、再会したら大したことないだろうと思っていたのに。なんなら前より輝いて見えた。