ナチュラル・ボーン・キラーズ ディレクターズカット [Blu-ray]/ワーナー・ホーム・ビデオ

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1994年公開 オリバー・ストーン監督作

町山さんが俺の大好きな漫画の1つであるところのザ・ワールド・イズ・マインについて話してたたまむすびの回聞いたら、この作品との類似性について語ってて、すごく興味が湧いて借りてみた。

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン (1)巻 (ビームコミックス)/エンターブレイン

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ザ・ワールド・イズ・マインという漫画は、新井英樹という多分今現在メジャー誌で描いている漫画家の中で1.2を争うアナーキーな漫画家が描いた、最も反社会的でPTAからバッシング間違いなしな漫画で、トシとモンというテロリスト二人組が北海道に北上しながら人を殺し、女を犯し、なんかめちゃくちゃでかい熊に対して腕をブンブン振ったりするっていうなかなかな内容です。
そういう逃避行のなかで、トシモンと呼ばれはじめ、世界の若者たちからヒーローと崇められたり大人たちからは狂人だと思われたりしながら最終的に人類が滅亡するというとんでもない漫画でした。
長く絶版で、復刻版が出た際に帯に深作欣二監督が映画化したかったという内容を書いたくらい恐ろしい漫画です。

さてこのあらすじを読めば、今回の映画のあらすじもほぼ分かります。それほどこれらの作品は似通っていると思います。ザ・ワールド・イズ・マインのほうが新しいので新井英樹が影響を受けたのではないかと思います。映画好きらしいし見てるはず。
この映画での最も楽しいポイントはやはり画面のルックに尽きます。悪夢的表現というかドラッギーなフラッシュバックというかなんとなくバッファロー66を彷彿とさせる、脈絡のないフラッシュバックが続いたり、急にアニメーションになったり画面として全く飽きさせません。しかも行われていることが理不尽で凄惨な大量殺人ということもあり、終始楽しく見れます。(楽しいというのは個人の感想で、全く受け付けない人もいるはずです)
特に前半のミッキーとマロリーの出会いのシーンの、ホームコメディドラマ調で話されてる内容が父親の娘への性的暴行であったり、息子が実は父親と娘の子だというような話で、しかもそういう話がされるたびにアメリカドラマでありがちな集団の笑い声が聞こえるっていう、悪趣味演出はほんとに胸糞悪くなってその後の両親への復讐がすごく際立ってた。

前半はそういう俺達の映画って感じで進んでいくんだけど、後半の刑務所捕まったあたりから、オリバー・ストーン的な(プラトーンしか見てないけどいつもの印象論)人間の暴力性の話になっていく。
監獄で殺人鬼イコール視聴率って考えてるテレビマンがミッキーにインタビューするシーンで、君はなぜ赤子を連れているような無垢な女性を殺せるのかって問いかけたら、人は生きている上で既に森や動物を殺しているのになぜ俺が人間を殺さないんだというようなことを言って、それを見てた他の囚人たちが暴動を起こしていく姿はものすごく戦争的というか混沌とした世界が広がっていく感じだった。
その姿を見ると、この映画のタイトルであるナチュラル・ボーン・キラーズの複数形のところがとても気になった。もちろん主人公二人っていう意味なんだろうけど、それに加えて人間が全てナチュラル・ボーン・キラーズ的要素を持っているという意味を感じた。
これはオリバー・ストーンがプラトーンでも語っていたことにつながってて、戦争という環境のスイッチで人は人を殺すようになるし、今回の映画ではミッキーの演説で人は人を殺すようになるってことで繰り返し語られてる。
テーマ的な小難しい話かこれくらいにする。

音楽の力が半端じゃなかった。タランティーノつながりのフロム・ダスク・ティル・ドーンの時のゾンビとの戦いでかかるSRVとおんなじ感じで、ミッキーがジョーク言いながら場を和ませてて、完璧に油断したところでショットガン奪ってぶっ殺していくところにRage Against the Machineのbombtrackがかかった時がこの映画の俺の中でのマックスだったように思います。

とりあえず、こういう悪趣味な映画はすごく好きです。