銀杏BOYZがアルバムを出しました。
待っていたような待っていなかったような?…私は去年クロマニヨンズにうつつを抜かしていたので報せを聞いたときは嬉しくもなんとなくぼんやり。
一言では収まらないなと最近思い始めていたので、久しぶりというか、初めましてというか、この機会にまたブログを書き始めます。
少し長くなりますがお付き合いください。
思えばもう4年前、“駆け抜けて性春”を初めて耳にしたとき、あまりに美しく荒く儚い音に恋い焦がれるようにハマっていきました。もうそれは転がるように(笑)
私の持論でなんの根拠もないのですが、匂いや音は人間の感情を引き出せると思うのです。銀杏BOYZは特にそれが上手いバンドだと思っています。
“駆け抜けて性春”は必死の形相でお前ら生き急げと投げかけてきます。ぐずぐずしてたら終わっちまうぞ、と…不思議と本当にそういう気持ちになるのです。
もう1曲。
“夢で逢えたら”ほど恋愛のくさみがない幸せな歌は知りません(笑)リアリティがまるでなく、ひとりよがりなもんだからこれまた切ない。でもこれほど「こみ上げるあなたへの愛おしさ」を表現できるなんて凄いと思いませんか?
不器用だとか童貞っぽいと言われたりするバンドでしたが、そんなことないと思うけどなあ…
でもこれらの美しい歌ばかりではないのも事実、むしろ汚い歌、醜い歌のほうが多いバンド。パフォーマンスも怪我をするような崖っぷちさ、それがファンの間では受けていたのかもしれないです。が、あまりに自傷的になり過ぎるのは個人的にはあまり好きではなかったので…
本当に人間らしいというか、目も当てたくないようなどうしようもないところもたまに見えて、それでもやっぱり惹きつけられるのは彼らが生きているものそのものだったからだと思います。
と、前置きが長くなってしまいましたが、ギリギリの状態だからこそ一瞬の強い輝きを放つことがあったバンドでした。
…でした、というのは今回の“光のなかに立っていてね”を聴けばわかると思います。
ベランダの手すりに立ち、歩き、逆立ちまでするようなバンドでしたが、ついに「あっ、落っこちたな」と。
でも落ちたところは地獄ではなかったです。幽界突入編とでも言いましょうか(笑)
イかれてます、愉快なくらい。
ただ今回メンバー3人脱退してしまったようにバンドとしてのバランスが崩れてしまったのもわかると思います。
で、もう1枚。愛撫盤なんてふざけていますが(それにしても9年ぶりに出したかと思えば「満をGして」なんてキャッチコピーでCD屋に並んでて吹いた)ライブ盤の“BEACH”。
峯田和伸本人が語るように「音楽が始まる瞬間」の始まるのに止まるような固まるような、あの空気感が確かに印象的でした。
クロマニヨンズのライブ盤とはまた別。
クロマニヨンズの一体感は一人ひとりが個別の意思を持ったものとしての前提がある一体感だから。
銀杏BOYZの今作は一体感というか一体化?ぐちゃぐちゃで隣の人と自分の境目がよくわからなくなって、混沌として…
パレットにたくさんの色の絵の具を出したとして、美しい虹を描いたのがクロマニヨンズなら、ぐちゃぐちゃと掻き回して不思議な色を作ったのは銀杏BOYZなんじゃないでしょうか。
…詳しいレビュー書きたかったけどやめておこうかな。レンタルでもなんでも、前作2枚と一緒に聴いて欲しいです。
うーん、やっぱり、モンスターバンドだなあ。