フォッケウルフ Fwー190 Dー9
どこから撃ってきた!
空だ! 直上!
機種は!
・・・Fwー190
Dー9!
長っ鼻ドーラだ!
奴にはヨーロッパの空で数えきれないほど食われた!
*
滝沢聖峰・作
蒼の孤狼
最高出力:1776 馬力
最高速度:698 km/h
航続距離:810 km
翼面荷重:233. 3 km/平米
第2次世界大戦におけるドイツ空軍の主力戦闘機はメッサーシュミットで鉄板となっている
しかし水冷式エンジンでコストが高く、過激なセッティング故に熟練の搭乗員でなければ乗りこなせないほど高級な戦闘機だった
そこでドイツ空軍は、Bfー109 を補助する戦闘機の開発と増産を急ぐことになる
Fwー190 はヨーロッパの戦闘機としては珍しく空冷式エンジンを搭載したもので、主力・スピード共に水冷式エンジンを搭載した各国の戦闘機よりも苦しい戦いを強いられる
ドイツ空軍が空冷式エンジンに着目した理由は、諸元上水冷式エンジンに比較して性能は劣るものの、量産し易く、空戦で被弾してもとりあえず帰投できて、壊れた部品を交換するだけで空に上がることはできるからである
また Fwー190 では、Bfー109 で不評だった前方視界だけの風防を全天周に変更したのだが、これだけでも幾分軽量化に成功した
Dー9は、エンジンを大型化して出力を高くしたものであり、初期型に比べて機首が前方に長くなっているため「長っ鼻ドーラ」の仇名で呼ばれた
Fwー190 は、目まぐるしく改良を重ねている割に、目を見張るような活躍は記録されておらず、実際の運動性能など正しく分析されている戦闘機ではない
多分に僅かな口述があるだけであり、その評価は真っ二つに分かれる
トロトロ飛んでいるばかりで、牛を撃つより簡単だ
という酷評があるかと思えば
超空から突然現れて、あっという間に僚機が食われた
と評価する証言もある
おわり