脱走 | いい人仮面の生い立ち

脱走

自分の頭の中は悪い方向ばかりを考えるようになっていた。

足がなくなる

足がなくなる

この状況から逃げたい
とにかく逃げたい
足がなくなるぐらいならば死んだ方がまし。

切らせてたまるか!

とにかく恐怖心から逃げたくなった。

足がなくなった自分にいったいなんの意味があるのか?
この状況から逃げないと。
あ~死にたい死んでしまいたい。

怖い、怖いよ
嫌だ、嫌だよ

次の日僕は病院を脱走した。

まだ慣れない松葉づえで病院を脱走した。
行き場所なんて決めていない。
とにかく病院から逃げたいんだ。
パジャマのまま病院から脱出して必死に逃げた。病院の前の坂道を下りたくさん歩いた。
でもうまく松葉づえが使えない。脇の下が痛い。
真っ白な足の包帯が灰色に汚れていく。それでも一生懸命逃げた。近くにある公園まで来た。そしてその時、僕の足に激痛が走った。

ピシッ!とした痛みと共に
灰色に汚れた包帯がだんだんと赤くなっていく。傷口が開いたようだ。
激痛の痛みの中で意識が痛さに負けて薄れていく。

その時に思った。

死なせて。