搬送 | いい人仮面の生い立ち

搬送

翌日、目が覚めると

僕はどこかに運ばれるらしい。
いまだに僕は自分がどうなっているのかわからない状態。
ただ、看護婦さんに
「東京に帰るからね。大丈夫よ。」と…
しかし状況がわからない。

救急車に乗せられ、
新幹線に乗せられ、
東京駅でまた救急車に乗せられた。

病院に着くとお母さんのがいた事はわかった。
しかしまた何処かに運ばれ意識が遠のいていく。

どのくらい時間がたったのだろうか?


目が覚めた時には病室にいてお母さんが涙を流しながら僕を見ていた。

自分がどうなっているのか?
小学生の僕には状況が一切わからなかったのだ。


後日、自分の状況を聞いた。

自転車に足を挟まれ、そのまま転んだ。その時に右の足の小指を切断、足の甲の皮も剥がれ骨がむき出しになっていたらしい。
友達が救急車を呼びに行き、病院に搬送された。
救急員が切断された足の小指を探したらしいのだがみつからなかったらしい。
出血がひどく僕の意識はかなり危険な状態だったらしいのです。
田舎には設備のある病院がなく、救急車で1時間ぐらいかかる市内の病院まで行ったらしい。

しかし、そこの病院でも対応が出来なかったらしく、朝を待ち東京の大学病院に搬送されて行ったらしいのだ。
その大学病院には親父の知り合いがいて、病院につくとすぐに手術出来るように準備されていたのだ。
今ならばそんな時間のかかる事もないのだろうが、当時、25年ぐらい前の事なので、仕方ない。

僕の人生はこの時からすべてが変わり初めたのだ。

ただその当時、僕は足の小指がなくなっている事は知らなかった。