7月なので007の裏話をいくつかつづってみたが、他にも題名に7の付く映画はあまたある。
ビリー・ワイルダーの傑作コメディ「七年目の浮気」は夏に語るのがふさわしいだろう。
奥さんと子供が避暑に出かけている広告マンの主人公が、アパートの上の階に住んでいるマリリン・モンローに浮気心を刺激され、自らの妄想に振り回されることになる。
主人公の部屋は当時としては先端的なクーラーを設置していたので、モンローが涼みに来るという説得力を持たせた(?)設定で話は進んでいく。
この作品で、あまりに有名なのが、地下鉄の通風孔からの風でモンローのスカートがめくれ上がるシーンで、ロケ当日は芸能記者や野次馬が押し寄せ、結局後日スタジオで撮影することとなった。
そのロケ現場を見ていた旦那さんのジョー・ディマジオが激怒し離婚に至ったのは有名な話。
とはいえ、離婚はともかく、これはビリー・ワイルダーの宣伝戦略だったのだろう、映画は宣伝費をかけないでもセンセーショナルな報道と共に大ヒットとなった。
そのシーンに使われたドレスは、オークションで数億円という高額で落札されたという。
そんな巧妙な策に長けたビリー・ワイルダーはウィーン生まれのユダヤ人で、ドイツの映画界にいたころナチスの台頭により、まずフランスに、そしてアメリカ亡命をし、ハリウッドで仕事をするようになった。
当初は言葉が通じず苦労もあったようだが、なんとか脚本家として売れ出したものの、監督や出演者の都合で脚本を変えられてしまうのに耐えられず、やがて自ら監督をするようになっていった。
ワイルダーというと喜劇のイメージが強いが、「深夜の告白」は犯罪映画であり、アル中を扱った「失われた週末」やマスコミエゴのでっち上げを描いた「地獄の英雄」のような社会問題とか「サンセット大通り」みたいなハリウッド内幕もの、といった喜劇以外にも多方面にわたる骨太の作品を残している。
そういった作品を経て、オードリー・ヘプバーンの「麗しのサブリナ」に続いて制作監督したのが「七年目の浮気」だった。
そしてワイルダータッチという独特のスタイルによる名作群が続くことになる。
7の付く題名の映画はまだまだあり、○○の七人というのも多数あるが、その原点というべき作品は黒澤の「七人の侍」だろう。
もっとも白雪姫と七人の小人というのもあるが…少し違うかな。とはいえ、そのパロディ的な「教授と美女」の脚本をワイルダーは書いている。
