長ければ良いというものでもないのだが | dvconのブログ

dvconのブログ

ブログの説明を入力します。

間もなくセント・バレンタインデーがやってくる。

チョコレートのプレゼントは、日本人のイベント好き体質がお菓子会社の仕掛けにうまく利用されていたわけだったが、最近はようやく見直されてきているようだ。

以前も書いたが、単純に貰って喜んでいるだけでは済まないこともある。貰った大量のチョコレートを(小生は経験ないが)食べ過ぎると太ってしまうし虫歯にもなり果ては糖尿病…は大げさ?。

 

さてバレンタインで思い浮かべるのは、ロバート・A・ハインラインが1961年に書いたSF小説「異星の客」の主人公の名前ヴァレンタイン・マイケル・スミスで、この男はセント・バレンタインデーとは関係がない。

 

火星人に育てられた地球人スミス(当時の科学的根拠から既にSFではなく寓話的作品だと分かる)は、地球帰還後に知り合った仲間たちと、火星の発想理論その独特のアイロニー的行動を繰り広げ、それが寓話的世界を構築してゆき、力業ともいえる展開が実に魅力的な作品になっている。壮大なホラ話として大人版「不思議の国のアリス」とも評されているのもむべなるかなというところか。

翻訳書は今でも読むことができるロングセラーで、その厚さは文庫版ながら約800ページに及ぶ。とはいえ、これでも元の原稿を出版社の意向からハインライン自身が五分の一程度に省略した版なのだ。

 

その作品に描かれる独特の宗教的世界観が評価の分かれる要因かもしれないが、当時の世相と相まってヒッピーの聖典と化したという。

そのようなドグマとも捉えかねない独特な発想が、以前にも書いたが長編の前作にあたる「宇宙の戦士」以降のハインラインの小説の基盤となっていた。

小説の名人が変な理屈を展開するわけなのだが、ともすれば不愉快ではあっても実に痛快で、エンターティンメントとして捉えるならこれほど読んでいて楽しいことこの上ない小説である。

 

しかしそれが、シャロン・テート惨殺犯のカルト教団的チャールズ・マンソン一党にも影響を与えたということなのだが、マンソン達は何を読んだとしても自分に都合よく解釈する人間たちだったのは否定できないであろう。

いつの時代もどこの国も人の迷惑かえりみずのジコチューはいるものだ。