エドガー・ライス・バローズといってピンとくる人はあまりいないと思うが、その作品ターザンの名前を知らない人はあまりいない。
生涯に60冊以上の著作があるようだ、といっても雑誌連載が主だったので作品数でいうとそれ以上の相当な数があるだろう。有名なターザンシリーズの他、火星シリーズ、地底世界シリーズ、金星シリーズといった、そのほとんどが読む人を楽しませる冒険活劇物だった。
ほぼ処女作の「火星のプリンセス」はアメリカ南軍大尉ジョン・カーターが、突然火星に瞬間移動して怪物型や人間型の火星人の世界で暴れまくり、絶世の美女であるお姫様と結ばれめでたしめでたしといった、科学考証なんかクソクラエ型の痛快無比娯楽作品だった。
その流れで書かれたのがターザンシリーズだった。
しかしターザンで思い浮かべるのはアフリカのジャングルを自由に駆け巡る野生男の姿だろう。そのイメージは映画、とりわけジョニー・ワイズミュラーが確立した颯爽とした褌男のイメージだ。
それ以前のターザンというと、ボロ毛皮をまとい肩を半分出した、どちらかというと原始人のイメージに近い姿だった。
オリンピック水泳で金メダルを取ったワイズミュラーにより洗練(?)された姿となり映画は大ヒットシリーズになった。
かなりの俳優が演じてテレビシリーズもあるのでいったい何人のターザンがいるのかは定かではないが、その中でも最も有名なのはやはりワイズミューラーであろう。とはいってもスポーツ選手だったワイズミュラーに演技経験がある訳ではないので、朴訥とした粗削りなターザン以外の役を演じることは出来なかった。
ターザンの出演料で財産を築いたワイズミュラーではあったが、お決まりのように金に群がる怪しげな人たちに騙されて破産同然となり、晩年は精神病院でターザンと同化した日々を送ったようだ。
映画ではブッキラボウなセリフのターザンだが、原作では貴族の子息で数か国語を解する語学の達人のスーパーインテリで、ほぼジャングル版007といったところだ。
とはいえ原作通りに映画化したら(そのような作品もあるのだが)これほど有名なキャラクターになったであろうか。
やはりターザンはフロリダにしか見えないジャングルでジェーンと仲良く水泳をする姿が似つかわしい。
仲良しのターザンとジェーンだが、映画版に出てくる子供ボーイは実子ではない。飛行機事故で助かった赤ん坊を育てているという設定だ。
何故実子設定にしなかったかというと、キリスト教団体がターザンとジェーンは結婚式を挙げてないので子供がいるのは不謹慎だという抗議があったからなのだ。
