懐かしものを書いていると懐メロが聴きたくなってくる。
昭和歌謡もいいのだが、当時よく聴いたのは洋楽だった。
ラジオ文化放送のユア・ヒット・パレードは愛聴盤組で、大ヒットした曲はあまたあるが、当時のチャートには映画音楽がランクインすることも少なくなかった。
以前も書いたが映画音楽が映画以上に有名になり、ポピュラーミュージックのスタンダードになっていくことは良くあることだ。映画が大したものではない場合、音楽だけが残っていくことになる。
映画「ダイヤモンド作戦」は今では忘れ去られ、知っている人はほとんどいない…というのは大げさか。
ともかく、その映画に使われたメロディーに詩を付け、それを吹き込んだのがフランク・シナトラの「夜のストレンジャー」。
夜出逢った知らない男女が恋に落ちる。といった甘いバラードはビルボード一位の大ヒット。引退していたシナトラの本格的カムバックの一曲となり、現在はポピュラーナンバーの定番として残っている。
作曲はベルト・ケンプフェルドということになっているが、なにやら複雑な経緯があり真偽は定かではない。
映画は巻き込まれスパイものの一種なのだろうが、なんとものんびりというかふんわりというか、アクションもないことは無いがそれほどハードな場面は無く、主人公役ジェームス・ガーナーが相変わらずのヌボーとした感じのままで映画は幕を閉じる。
まぁ、これでは音楽しか残らない映画といわれてもむべなるかなというところか。
ダイヤモンドとスパイというと大家シリーズもの「007ダイヤモンドは永遠に」もある。
こちらもシャーリー・バッシーの主題歌は有名で、映画自体はショーン・コネリーの復帰そして最終作(別バージョンの一作はあるが)という話題意外それほど印象に残る作品ではなかった。
別バージョンや新時系列によるシリーズを別とすると、悪役スペクターの首領ブロフェルドが正式に登場する最終作でもあり、とりあえず初期シリーズの完結編といえなくもない。
しかし中年コネリーのさえない体型ばかりが目立つ作品でもあった。
とはいえ「ダイヤモンドは永遠に」映画自体は007というブランド故、今でも観ることは可能である。
テーマ主題歌も、同じシャーリー・バッシーの「ゴールドフィンガー」ほどのインパクトはなく、007音楽の特集で流れる程度ではあるが名曲といえなくもない。
ところでシャーリー・バッシーは歌に関しては、かなり完璧主義な方のようで、来日時の噂では相当怖い人だったようだ。
「ゴールドフィンガー」レコーディングでは、あの絶叫に近い声を出すためスタジオでは下着姿で歌ったという事も納得である。収録後は体重が減っていたのではあるまいか。