dvconのブログ

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007のことを書いているとケヴィンという名を思い出す。とはいってもクリスマスに置いてけぼりになるガキンチョではなく、別人のケヴィンなのだ。

そのケヴィン・マクローリーという名を知っている人はほぼいないと思う。

「007サンダーボール作戦」のプロデューサーというと、そんなものかと思う人もいるだろう。しかし007映画のプロデューサーというとアルバート・ブロッコリーとハリー・サルツマンなら知っているという人が多いだろう。

007の原作者イアン・フレミングがシリーズの売り上げがいまいちなので、映画化して話題を作ろうと考えた時に映画関係のケヴィン・マクローリーと知り合い、彼のアイデアでシナリオライターと共に悪の組織スペクターと首領ブロフェルドの登場するサンダーボールのシナリオを作った。

結局その話は流れてしまい、フレミングはそのシナリオを元に「007サンダーボール作戦」を書き上げた。

 

数年後にブロッコリーとサルツマンでスペクターの設定も利用した「007ドクター・ノオ」が作られた。もともと低予算のB級アクション映画だったのだが、意外にも大ヒット作品となってしまったことが問題だった。

そうなるとマクローリーも指をくわえているわけにはいかない。映画業界ではよくある話のようだ。

問題は007という世界的大ヒットシリーズとなる作品で、結局は訴訟騒ぎとなりマクローリーは映画「007サンダーボール作戦」の権利を得てプロデューサーとして明記されることとなった。ただの名目上のプロデューサーであり、撮影に立ち会う事もなかったが、大ヒット作故に大金を手にすることとなる。

更にその権利を元に数年後にリメイク作「ネバーセイ・ネバーアゲイン」が出来上がり、そのボンド役には一旦007から引退したショーン・コネリーが再び登場するという商魂たくましき一作が出来上がった訳だ。

事程左様に人気シリーズとなった007ではあるが、007映画第一作「ドクター・ノオ」初公開時の邦題は「007は殺しの番号」という、いかにもB級映画的な題名で、日本での認知度は低く、当時ある古書店では原書に店主の手書きの腰巻で「医者はいらない」と書かれてあったという。

もっとも4代目007ティモシー・ダルトン「消されたライセンス」の原題はLicence to Killと「殺しの番号」みたいな題名ではあった。

ボンドも最初のTV版「カジノロワイヤル」から8人が演じている。9人目は誰になるのやら。

そんな訳で最初に書いた、クリスマスに忘れられたガキンチョのケヴィン君も、当然ながらすっかりオッサンと化している。