お客様に多木浩二さんのことを教えてもらい、自分が知らない方だったので、勉強ついでに書きたいと思います。
兵庫県神戸市生まれ。旧制第三高等学校、東京大学文学部美学美術史学科卒業。元東京造形大学教授、元千葉大学教授。神戸芸術工科大学客員教授。
中平卓馬、森山大道とともにPROVOKEのメンバーであったこともあり、写真についての評論を多く手がけているが(『日本写真史1840-1945(平凡社・1971年)』の本文の一部執筆も行っている)、それに限られることなく、美術一般、建築、戦争等にまで、その批評対象は及んでいる。
というのが簡単な経歴である。
PROVOKEの創設メンバーです。しかも、多木さん自身は、写真を撮る立場でなく批評する立場で参加しているのがまたすごい!!!
お客様が特に、多木さんの本でおすすめの本は、
生きている家
(
〈生きられた家〉とは,居住した人間の経験が織り込まれている時空間である.そこに残されたさまざまな痕跡をテキストとして,社会的・文化的コードや人間
の多様なあり方を読み取る.身近な家や建築史上の古今東西の住居を題材としながら,豊かな文化史的知見を駆使して人間存在の混沌を考察した現象学・記号論
の貴重な成果.解説・大室幹雄.
)
天皇の肖像
(
明治維新後の近代国家体制確立に向けて,天皇をどう見せるかという「権力の視覚化」は大きな問題だった.天皇は全国を巡幸することで民衆にとって見えるも
のとなり,さらに御真影がつくられる.理想の近代国家元首の肖像をつくりあげるためにどのような方法がとられたのか.日本の近代史研究に大きな衝撃を与え
た画期的論考.解説・大島洋.
)
写真の誘惑
(
写真をめぐってもっとも先鋭的な思考をつづけてきた著者は、メイプルソープが死の前年に撮った〈自写像〉に惹きつけられる。それは、著者を誘惑してやまな
い思考の迷宮への入口だった。この写真の衝撃は何なのか。写真史をたどれば、ますますこの写真の異質性だけが浮かび上がってくる。一枚の写真について考え
抜きながら、これまでの思想を転倒させたスリリングな書き下し。
)
ヌード写真
(
夥しい数のヌード写真が巷に溢れ,さまざまな話題を呼んでいる.初めてヌードが撮られて以来百五十年,今日では芸術的なものから俗悪なものまで,目に触れ
ない日はない.この氾濫をどのように考えればよいのだろうか.ヌード写真の歴史をたどることによって,社会が性をどのように扱ってきたかを明らかにし,現
代における性や身体の意味を探る.
)
肖像写真
(
肖像写真を撮るまなざしの変遷から歴史が見えてくる。ブルジョワ知識人を撮った一九世紀のナダール。さまざまな職業の人間を撮って二〇世紀の全体像を描こ
うとしたザンダー。被写体にパフォーマンスさせた現代写真家アヴェドン。彼らの肖像写真からは、記述された歴史ではうかがい知ることがなかった人間の変容
が浮かび上がる。
)
と教えていただきました。ありがとうございました。
写真の誘惑、ヌード写真、肖像写真は、ぜひ読みたいですね。写真の評論は、あまり読んだことがないので、楽しみです。もしかすると、お店に置くかもしれません。その時は、ブログでお知らせします。