はいこんにちは、からばこです。セレモニーハイパーお疲れ様でした。
この記事はハイパーのちょっと前に書いておいたものです。ハイパーの結果に関わらず、今環境(PRIMAL SELECTOR期)の【ひとえ】の調整メモということで書き残しておきます。今後【ひとえ】を使う方のお役に立てればありがたい……、ということはあまり思っておらず、主に自分のために書いています。
でも、誰かに読んでもらう想定で書いています。長いですが、役に立てたい方は立ててね。
もくじ(長いので)
1:ジャックビーンズ2枚制限の影響
2:植物ガードへの影響
3:防御力の底上げ
4:「しゃがむ」ことの大切さ
5:構築のはなし
6:当日の戦績と終わりに
1:ジャックビーンズ2枚制限の影響
【ひとえ】における今期の最も大きな影響は、何と言っても《ジャックビーンズ》の2枚制限でしょう。
(この子のこと大好きになった)
【ひとえ】を象徴するパートナーシグニがまさかの2枚制限。確かに大活躍していたデッキでしたが、「繭の部屋」で枚数の使用制限をかけるほどの勢いがあったとは、WIOXSSBOXを運営していても思いませんでした。まあうばこってツイッターに公開されたセレモニーの結果しか載せられないから、関西とか東北の結果がわからないので……。
うばこだけでメタゲーム全般を理解したような気になるのはよろしくないよな、という気持ちで改訂を受け入れた次第です。セレモニーの結果はどんどん公開するか送ってほしい……。まあそれはいいや。
で、そんな《ジャックビーンズ》が2枚になった後の【ひとえ】ですが、1か月使って、弱体化の影響は確実にあったなと感じています。
改訂発表翌日に《ジャックビーンズ》2枚のひとえでうぱ3−0したりとか、改訂発表から施行までに各地のセレモニーで《ジャックビーンズ》2枚のひとえが入賞したりしていたので、多くの方は「2枚でも変わらず強いじゃん!」と思っているかもしれませんけど、使う側、ないししっかり対策する側からすると、4枚が2枚になった影響はしっかりあります。
(なーにが本当の気持ちじゃ)
4枚が2枚になった影響を一言で表すと、「場に出る回数が減る」に尽きます。
4枚だったカードが2枚になれば、ドローできる確率はざっくり半分になります。であれば場に出る頻度も半減するので、《ジャックビーンズ》がゲームにもたらす影響が、従来から半減しています。ライフバーストに埋まったりとか、序盤にやむなくエナチャージをすることなども考えると、《ジャックビーンズ》が4枚から2枚になったことで、場に《ジャックビーンズ》が出て、かつゲームを強く左右する頻度は、どんぶり勘定で4割くらいになったと言えるでしょう。
構築によって色々変わるのですが、ここでは正確な割合は重要ではありません。要するに、今期の【ひとえ】は《ジャックビーンズ》が牽引するデッキではなくなっており、前期の【ひとえ】と比べて《ジャックビーンズ》の脅威は、単純計算で半減している、と理解していただければ大丈夫です。確率計算をしていないので6割だったり4割だったりするかもしれませんけど、「4枚が2枚になれば、まあ半分くらいになるでしょ」というところからこの記事が始まります。とりあえず「4割」でいきますので、よろしくね。
ではこれまで《ジャックビーンズ》が何をしていたかというと、その役割は大きく2つ。除去と壁です。
除去はアタックフェイズ開始時に発動する自動能力です。払ったエナの枚数に応じたレベル分、相手のシグニをエナに送る攻めの能力ですね。エナさえあれば《ジャックビーンズ》1体で3面除去もできたり、エナが少なければ下級だけ除去することもできる、柔軟かつ大胆な除去能力です。
《ジャックビーンズ》が場に出る割合が前環境に比べて4割になったので、このアタックフェイズ開始時に発動する能力の発動頻度も4割になります。ただ、その分打点を《トロイ》や《ダイナマイトツリー》など他のアタッカーで補っているので、デッキ全体の火力については、まあ大きな変化はありません。実際には「《トロイ》は12000以上でしか【アサシン】ができないけれどレベル3相手に2エナで点が取れる」など、採用するシグニによって変化があるんですけど、《ジャックビーンズ》をアタッカーとして捉えるのであれば、アタッカーの役割を持ったシグニが出てくる頻度は、そこまで変わっていません。もっと正確に言えば「微減」くらいです。
(新型ジャックビーンズ)
《ジャックビーンズ》のもう1つの役割は壁です。相手ターン中に自分のレベル2以上の<植物>のシグニが場を離れると、エナゾーンかレベル1の<植物>のシグニを場に出す自動能力です。こちらが【ひとえ】を【ひとえ】たらしめていた能力であり、《ジャックビーンズ》が【ひとえ】を牽引するシグニであった心臓部の能力です。
【ひとえ】と戦ったことのある方ならわかるかと思いますが、《ジャックビーンズ》のこの自動能力は非常に厄介です。全てのレベル2以上の<植物>シグニが擬似的な耐性を持つため、《ジャックビーンズ》の上からシグニを除去し、要求していくのは大変です。レベル2パワー5000の《イケバナ》を除去するのですら、「《イケバナ》除去に1リソース」→「出てきたレベル1の除去に1リソース」という具合に、+1リソース(エナとか手札とか)を要求されるので、【ひとえ】と対戦する側は単純に疲れます。
そんな《ジャックビーンズ》対策に《ユキ//メモリア》や《ベル・クリケット》などの能力無効が挙げられますが、これらのシグニの多くは能力無効「だけ」しかできないません。もちろんリムーブ権などで他のシグニに入れ替えたりしてもいいのですが、使い終わった《ユキ//メモリア》などをリムーブしている時点で1リソースを使っています。疲れますよね?
(植物のシグニが全員こんな感じになるイメージ)
そんな相手を疲弊させる《ジャックビーンズ》が場に出される割合が4割になっています。となればおわかりかと思いますが、【ひとえ】の防御力も4割まで落ちています。ここは明確な弱体化です。相手の攻めに対して《ジャックビーンズ》を軸に組み合っていた【ひとえ】が、その《ジャックビーンズ》が4枚から2枚になってしまえば、脆くなるのは当然です。
デッキとしての防御力はかなり落ちましたし、【ひとえ】を使っていくのであれば、そこを補う構築を目指していくのが必然となりました。
以上が《ジャックビーンズ》規制による、【ひとえ】への直接的な影響です。「火力はやや減、防御力が半減」というダメージを受けました。
それでも一定水準の活躍ができているのは、【ひとえ】が《ジャックビーンズ》だけのデッキではないゆえです。
2:植物ガードへの影響
【ひとえ】を【ひとえ】をたらしめているもう1つの要素が、《参式 一衣》の常時能力です。ガードをエナゾーンの<植物>シグニ1枚で肩代わりする、いわゆる「植物ガード」です。この能力があるゆえに、《ジャックビーンズ》というデッキの屋台骨が半分になっても、バリバリ最前線で戦い抜けるデッキとしてあり続けられるわけですね。
(冷静に滅茶苦茶な能力)
《サーバント #》無しにガードできるこの能力は、1回ガードできれば1面防御です。2回ガードで2面、3回で3面とその防御面数は青天井であり、試合が長引けば長引くほど強みとなっていきます。エナが枯れたり《コードハート リメンバ//メモリア》などでガードに制約をかけられることもあるとはいえ、この無尽蔵のガードこそ、現在の【ひとえ】の唯一無二かつ絶対的な強みです。
そもそも《ジャックビーンズ》の枚数に限らず、【ひとえ】はこの植物ガードによりかかりながら、滅茶苦茶なゲームメイクをすることを許されています。
多くのデッキは、ゲームが長引いて泥仕合になり、お互いにライフクロスが尽きた時、サーバントがなければそれだけでアーツなどの防御をしなければいけません。しかし【ひとえ】にはその必要がないです。なぜならガードはエナの<植物>でできるからです。
だから極論、シグニの要求のみに気を配り、相手のルリグからのアタックは無視したゲームメイクが可能です。「アタック入ります。サーバントある?なければアーツ使ってね。私は植物ガードするね」が許される破茶滅茶な常時能力。これが今の【ひとえ】の心臓部です。従来はここに《ジャックビーンズ》が絡んでより堅牢だったのですが、それがなくとも植物ガードは十分強力ですね。
ただ、この植物ガードにはエナがかかります。1000ターンあれば1000回ガードができるわけでもなく、消費した<植物>はきちんと《カレハ》《イケバナ》などで補っていく必要があり、ゆえに対【ひとえ】はこの植物ガードをいかに機能不全にさせるかが大切になります。【ブルアカリメンバ】や【夢限】であれば、エナを絞って植物ガードを許さなくしていく立ち回りが可能ですし、《炎剣之舞》などで一気にエナを焼き払ってもいいわけです。もしくは植物ガードは無視して、《ジャックビーンズ》が減って柔らかくなったシグニ側から攻め込んでいく、という戦略もできますね。
【ひとえ】側は相手の攻めをしのぎ切るように立ち回りますが、やはり《ジャックビーンズ》が減ったことによるシグニの防御力減が響いています。シグニからの攻撃から守るためにアーツを使うとエナが減り、結果的に植物ガードと、その後の攻めのためのエナが足りなくなっていくのです。従来は《ジャックビーンズ》に防御を任せエナを消費せずに耐えていたのですが、それができなくなったので、ガス欠が早期に訪れるようになった、ということです。
(レベル1植物も焼かれる天敵)
《ジャックビーンズ》の減少は《参式 一衣》のアイデンティティである植物ガードにも、少なくない影響を与えました。
1か月近く【ひとえ】を回して感じたのは、細くなった、に尽きます。攻めも守りもギシギシするというか、今までがグルングルンスルスル動いていたが正確かもしれませんが、今までのような横綱相撲は許されなくなった印象です。
実際の横綱と違い、カードゲームは「勝てなくなったら引退しなければならない」ということはありません。勝てなくなったらそこを補えばいいので、そこをカバーした構築や立ち回りを目指していけばいいのです。というわけで【ひとえ】をどういうデッキにしていくか、長い長い模索が始まります。
……ちなみに「本当の気持ち」は何ら弱体化していません。すごいままです。
3:防御力の底上げ
《ジャックビーンズ》の枚数制限に限らず、「PRIMAL SELECTOR」で新規に登場したカードやデッキを前に、もともと【ひとえ】は防御力の底上げが求められていました。【エクス】【マキナ】のガード不可、【GONG】【参上緑子】の台頭、【赤タマ】などのビートダウンの登場、《トロイ》の【アサシン】などで、従来の防御力・防御群では心もとないシーンが増えました。
PRIMAL登場前の【ひとえ】の一般的な防御アーツの構成は、《アンチ・スフィア》《加持祈禱》《温故知新》の5面防御でした。《アンチ・スフィア》はミラーの《ジャックビーンズ》やブルアカ系の《秤アツコ》対策で色々変化するとはいえ、一般的には「1−2−2」の5面防御が標準でした。
(ずーっと強い)
しかしPRIMAL期では、確実に身を守れる《加持祈祷》はさておき、《アンチ・スフィア》《温故知新》だと不安な相手が増えています。上記に挙げた【エクス】【マキナ】はこれではどうしようもなく、【赤タマ】は【イノセンス】で《温故知新》が回避されたり、そもそも【GONG】が増えると《温故知新》が貫通され、メタの展開で《アンチ・スフィア》でマイナス20000ができないなど、どうも取り回しがなんともいかない環境になりました。実際GP2025SUMMERはその懸念通り【GONG】が台頭しましたし、準優勝の【緑単ひとえ】はそれを読んでか、ライフ回復の《日常茶飯》を採用しつつ《今昔之感》《加持祈禱》で6面防御にするなど、火力が増えたメタに合わせた防御手段の導入が待ったナシになっていました。そして最終的に《ジャックビーンズ》の規制によって【ひとえ】そのものの防御力が下がったことで、防御面数の向上は必須になったわけです。
で、検討した防御アーツの組み合わせは以下です。
《加持祈禱》《付洋雷同》《今昔之感》
こちらは関東で流行したメジャーな構成の1つです。《付洋雷同》で【ブルアカリメンバ】の初手《小鈎ハレ》を除去したり、《今昔之感》で1ターン担保したり、局所的にしっかり刺さるアーツが多いです。《加持祈禱》《今昔之感》を合わせれば緑1エナで5面防御となり、1エナを残せれば【参上緑子】のロングショットも耐えられます。《デッドリー・ポータル》を採用する場合はリコレクト4が3枚になりますが、対ビートダウン相手に《デッドリー・ポータル》をリコレクト無しで撃って攻め込むことも可能です。
ただ、この構成だとルリグアタックへの隙が大きいです。レベル3にグロウできれば植物ガードで何とかできますが、それより前にライフ回復を残して動きたい相手に対し、序盤にサーバントが引けない際に痛手です。まあそこはマリガン及び《シーク・エンハンス》で何とか耐えたり、《音吐朗朗》でサーバントを引いたりして何とかします。
《加持祈禱》《千里同風》《温故知新》
こちらは私がよく使っている構築です。名古屋で流行中のものでもあります。
《千里同風》がミソで、序盤のサーバント欠落や思わぬルリグアタックの強化に対して受けが成立します。ブーストすれば事実上の《守破離》となり、特に最序盤にサーバントが無い時に、さっと切れる2面防御として重宝します。【エクス】は厳しいですが【マキナ】や、ゲーム1下の【ブルアカリメンバ】など刺さるところも多く、かなり気に入っています。
その分エナの消費が重かったり、《温故知新》はパワー10000未満を出されてケアされたりと穴も多いです。何より消費エナが最大9と燃費が悪く、ブースト無しの《千里同風》と植物ガードのかみ合わせが悪いなどネックもあります。それでも柔軟性は結構高く、エナの消費は各種植物シグニで補えるので、選択肢としては優秀な組み合わせです。《温故知新》に替わる良い防御アーツが出れば、というところ。
(お気に入りの1枚。今回優勝したら選ぶ予定だった)
また《竜花相搏》も擬似的な防御アーツとして検討できます。
【ブルアカリメンバ】がここまで台頭しておらず、ビートダウンが多い環境であれば検討の余地はあります。速攻に対して回復で耐えたり、逆にライフクラッシュで加速して相手のレンジを狂わせたりなど、できることが多いアーツではあります。
ただ、手札を増やすことができないため、【ブルアカリメンバ】などのハンデスデッキに対してガス欠を起こします。長い目で見ると1点回復の旨味が薄れていくし、クラッシュしても結局届かない、ということも増えるので、現環境では難しいかも……という印象でした。ビートダウンが多い地域では強そうですね。
(手札が増えない)
《竜花相搏》の話はいったん横に置きます。
上記のどちらの組み合わせも6面防御となっており、《ジャックビーンズ》の制限後の防御力を補いつつ、現環境での殴り合いに耐えうる面数となっています。どちらを取るかは環境や地域、参加するセレモニーのメンツによっても変わってくるかとは思いますが、一長一短あり、万能ではありません。
ウィクロスは定義される「環境」があるとはいえ、「好きなルリグで勝つ」プレイヤーも多く、環境ばかりを意識したメタゲームにすると痛手を追います。トップを意識しつつ、他にもきちんと構えられる防御アーツ構成にしておくことが大切であり、上記2セットはどちらもそれを満たしているものです。現環境の「好きなルリグで勝つ」ための手段としては、「そのルリグの要素を強く伸ばす」「止めorライフクラッシュorGONG」「ブルアカ基盤」が多く、そこを見られるアーツ構成になっていれば大丈夫でしょう。
《千里同風》については結構好みが分かれ、半ば私の専用機みたいにもなっていますが、結構便利なので使ってみてください。合わなかったら抜いていいと思います。
長くなりましたが、まあ要するに今の環境は6面防御は欲しいよねーというところからスタートしています。
これだけの防御を機能させるには、大量のエナが必要になるのは明らか。攻めにも植物ガードにもエナが必要なので、とにかく【ひとえ】はエナの供給が重要なデッキです。そのエナを確保していくために大切なのは、植物シグニで「しゃがむ」ことです。
4:「しゃがむ」ことの大切さ
【ひとえ】の強みは《ジャックビーンズ》であり《参式 一衣》の植物ガードであることと、《ジャックビーンズ》の制限により減った防御力をアーツで補う必要があることはここまでで書いてきました。
で、そのために重要なのがエナです。エナの確保は<植物>シグニで行えるのですが、きちんと立ち回っていかなければ、現在の【ひとえ】はあっさりとガス欠を起こします。従来の【ひとえ】もそうでしたが、考えなしに《ジャックビーンズ》で3面要求していくと自爆します。それを避けるために必要なのが「しゃがむ」行為です。
(POYO)
この「しゃがむ」行為については、友人のぱっくさんとのフリー中に彼が発した「ここはしゃがむターンだと思います」という一言に由来しています。彼がスマブラ好きなので、「しゃがむ」は多分格ゲー用語なのですが、私は文字通り「《カレハ》をダウンさせる」ことと捉えました。そこから派生して最終的に、「しゃがむ」とは「攻めを重視せず、エナを溜めることに集中する」ことだということになりました。独特ですね。
……と思っていましたが、「しゃがむ」は格ゲー用語ではない様子。カードゲームで使われたりするようです。まあイメージで伝わればね、いいよね。
(カレハしゃがんでー、って何回も言ってる)
この「しゃがむ」は現在の【ひとえ】を使うにおいて、とてもとても重要です。
攻めと守りをバランスよく組み立てて戦うことが大切なデッキなので、片方では《ジャックビーンズ》や《トロイ》で除去をしつつ、もう片方では《イケバナ》《カレハ》《フラスタ》でしゃがみながらエナを作っていく、ということを自分のアタックフェイズでやっていかなければいけません。攻めと守りのバランス、より詳しく言えば、攻めと守りに必要なエナの消費量のバランスを考えながら対戦を進めていくことが何より大切です。
例えば《ジャックビーンズ》《フラスタ》《イケバナ》という、【ひとえ】でよくある盤面を考えてみます。エナはとりあえず4枚想定でいきましょう。
アタックフェイズに入ると、《フラスタ》《イケバナ》でエナが2枚増えます。《ジャックビーンズ》で2エナ使えば、エナの増減は差し引き0です。相手ターンに植物ガードすればマイナス1となり、次のターンに手札からエナチャージしてトントン、です。まあこんな感じで、何もしなければエナは増えません。
ここで《ジャックビーンズ》が4エナ消費して、レベル2のシグニを2体除去すると、エナがマイナス2です。こんな無茶を続けていると、緑ルリグなのにエナがどんどん減っていって息ができなくなる、という展開になります。対白デッキなどエナをくれない相手ではそれが顕著になるので、緑デッキだからといって無茶のエナの消費は控えておきましょう。
なので要求をしない、または最低限にして、「しゃがむ」だけのターンを作ってあげる意識が、【ひとえ】を使う上では大変重要になります。
具体的にどういう場面で……、というのはなかなかに説明が難しいのですが、「アタッカー1面、しゃがみ2面」とか、「ライフバーストで空いた面に《イケバナ》《ボンサイ》などで1点、アタッカー1面、しゃがみ1面」とか、そういうイメージです。ここは使い込んでいくとぼんやり見えてきますし、長く【ひとえ】を使っている方なら体に刻み込まれているはずです。
また、しゃがむシグニを《ダイナマイトツリー》にして8000以下のシグニを除去すると、実質2エナの節約になります。パワー8000を処理するのに《ジャックビーンズ》では2エナかかるので、それが浮いたら実質【エナチャージ2】ということです。来期の新カードや既存カードの中から、そういう節約術ができるシグニが見つかれば、この「しゃがむ」はなお重要になっていきそうだなと《ダイナマイトツリー》を使いながら感じていました。
(期待のしゃがみガール)
また、この「しゃがむ」が許されるのは、とにかく《参式 一衣》の植物ガードゆえのものです。
普通のデッキであればしゃがんだターンの返しは相手のルリグアタックを手札のサーバントでガードしなければいけないのですが、植物ガードができるひとえであれば、その心配はありません。その分エナが1減るとか、盤面のシグニがバトルや除去で減っていくというマイナス面もあるとはいえ、しゃがんで2〜3エナチャージしつつ、場のシグニがバニッシュされてエナに行けば、植物ガードで減った1エナを含めても、総合的にはプラス収支です。
1ターンまたぐことでドローフェイズの2ドローから解決札を引ける可能性が増えたり、こちらのルリグアタックが通って相手のライフクロスを減らせるなど、副次的なメリットもあります。「植物ガードゆえの無茶なゲームメイク」のいち要素なので、【ひとえ】をよりハイパワーで使いたい方は、ぜひ「しゃがむ」を覚えてみてください。
まあ考えなしにしゃがみしゃがみしていると、相手のフルスイングに吹き飛ばされてゲームエンド、ということもあります。ゲーム終了までのターンから逆算したり、相手の思わぬ動きなどから「そろそろ焦らないとな」感じたときは、溜めたエナ(やトラッシュ)を景気良く使って、アクセルを踏み込んでいきましょう。
個人的な経験ですが、「しゃがむ」行為を覚えたところ、良いゲーム展開に持っていける試合が増えました。勝率も上がりましたし、負けた試合でも「正しくプレイできていた」と振り返ることが増えていった印象です。
しゃがんで何をするかはデッキによりけりです。【ひとえ】はエナチャージですが、もしかしたら【ブルアカリメンバ】はハンデスや《水着コハル》による死刑かもしれないし、【夢限】は《ヤマトタケル》によるドロー加速や《リメンバ//メモリア》での課税なのかも?書きながら考えています。いつか【ひとえ】がメタゲームから追いやられ、別のデッキを泣く泣く手に取る日が来たとしても、ここで培ったしゃがむ経験は間違いなく活きていくだろうなと強く感じています。もうちょっと早く取り組みたかったなと公開する一方、今取り組めてよかったです。何事も遅すぎることはないよ。
5:構築のはなし
具体的な構築や、カードごとの役割の話をしていきましょう。
《ジャックビーンズ》は前述の通りなので割愛します。4枚使いたいです。
トロイ
(今年の夏はへそ出しルックが流行して大変でした)
最近増えているアタッカー。パワー12000に対して2エナで【アサシン】を得られます。《ジャックビーンズ》でレベル3を処理するには3エナかかるので、実質1エナ浮いています。節約です。シグニの入れ替えの起動能力も優秀で、ミラーの《ジャックビーンズ》を筆頭に、厄介なシグニをエナにおしやれます。
起動能力ゆえどちらも《リメンバ//メモリア》の課税に引っかかるので無理は禁物ですが、《リメンバ//メモリア》上からでもシグニ入れ替えや【アサシン】を取ることもあります。特に裏返った後の【夢限】では、無理矢理ライフクロスを減らすために重税下で【アサシン】を取ることも少なくない印象です。エナの状況にもよりますが、最終的に勝てればいいので。
最初は2枚くらいからのスタートでしたが、ゲームを通して出番が非常に多くなっていき、最終的には4枚になりました。3〜4枚くらいが適正値という印象で、3枚でも事足りる印象もあります。
フラスタ
(やどみがエルフーン)
エナから任意のシグニを場に出せるシグニ。盤面形成の自由度を高めてくれるように見えますが、エナの支払いなどの都合上、欲しいシグニをずっとエナに置いておくことはなかなかできません。トラッシュに落ちても《カレハ》でエナに戻せる<植物>であればまだしも、《ナイチール》などクラス、または色が違う貫通シグニを《フラスタ》でトラッシュから取り戻すのは、かなり難しいです。色が同じだったら《デッドリー・ポータル》などで拾えますが。
《フラスタ》の大きな役割はアタックフェイズ開始時の【エナチャージ1】です。エナが4以下になることは結構あるので、そこを取り戻せるのはありがたく、5枚目以降の《イケバナ》のような運用をしています。エナからシグニを場に出すとエナの総量が1減るので、そこを取り戻せるのもありがたいですね。《フラスタ》自身が植物なので、《サイネリア》→《フラスタ》→何かで盤面を形成していけるのも重要です。
役割が変わっていっても出来る仕事は多岐にわたり、【ひとえ】がエナを起点に展開していくデッキであることから、このカードが4枚から減ることは恐らく無いのでは……、と今のところは考えています。もちろん減ることもあるでしょうけれど。
カレハ
(猛烈ダッシュしゃがみジャンプ)
「しゃがむ」の根幹をなす【ひとえ】のエンジン。「自動能力で」「ダウンしながら」トラッシュオの<植物>をエナにおけます。
かぎかっこで囲った2要素全てが最高です。起動能力ではなく自動能力ゆえ《リメンバ//メモリア》の課税を逃れ、ダウンするので「アップ状態のシグニを〜」のライフバーストを回避できるという、メタゲームにマッチした能力になっています。アタックフェイズ開始時なので盤面形成で引っかかるときこそあれど、能動的にダウンするためアタックで余計なシグニをバニッシュしなかったり、そうでなくともレベル2で8000なのでパワーラインとしても優秀と、全てが強力です。
言わずもがなライフバーストは最優秀で、1エナでマイナス12000は有効防御1になりつつ、ダウンした《エクシア》《秤アツコ》などの天敵を溶かせるなど、ゲーム後半になればなるほど、勝敗をひっくり返すクリティカルなものになっています。フリ対面の【ブルアカリメンバ】【夢限】などに対しては、《カレハ》のライフバーストに頼ることも少なくなく、このカードがあるゆえに現行の【ひとえ】はスムーズな立ち回りができています。黒なのも《デッドリー・ポータル》《ダーク・マイアズマ》の採用動機になり、「書いてあることが全て強い」というジャンキーな表現をするにふさわしい1枚です。
色が黒であることがエナの色管理を難しくしたり、【エナチャージ】などから行き過ぎて《炎剣之舞》のダメージが重くなったりするため、ノータイムで4枚採用であり続けるかどうかについては、一考の余地があってもいいかなと、大会後の疲労とアルコールでとろけきった脳に浮かんだことを書き残しておきます。
サイネリア
(ピルルクさんもこれくらいのサイズ感でお願いします)
現在の【ひとえ】は全国的なテンプレート構築というものがありません。
地域によってメタが異なること、使う人の好みやプレイングなどで、アーツはもちろん採用されるシグニの種類や枚数に個人差が出ています。他のデッキにも同じことが言えますが、「この【ひとえ】はありえんだろ!」という決めつけはナンセンスなルリグになっていると思っています。《サイネリア》はそれを最も象徴するシグニとなっています。
従来までの【ひとえ】では、《サイネリア》→《フラスタ》→《ジャックビーンズ》は王道ムーブの一つでした。《ジャックビーンズ》のパワーを押し付けてガンガン戦っていくのが【ひとえ】の勝ち筋のひとつだったし、《ジャックビーンズ》の防御性能に絶対的な信頼を寄せていたこともあったので、《ジャックビーンズ》を12枚、またはそれに近い枚数にするのは当然のことだったわけです。しかし《ジャックビーンズ》そのものの枚数が減ったことと、それに伴い《ジャックビーンズ》以外の<植物>でないシグニが構築で増えたこともあり、エナに<植物>を3枚求める《サイネリア》の使い勝手が徐々に悪くなっていきました。
とはいえ、特に5ルック2回収系のアーツを採用しない構築であればあるほど、序盤に1枚で盤面を整えられる《サイネリア》は未だに重宝します。それでも《バーバリアン》や《オニカナボウ》の枚数が増え、序盤ですらエナに<植物>を3枚確保する頻度が減っていった結果、採用数がどんどん落ち込んでいる傾向にあります。私は今は2枚です。
私の周りでは0枚、2枚、3枚で採用している人が多いです。それぞれのプレイヤーで考え方や立ち回り、それに伴う構築が違うので枚数に差が生まれていますが、「ノータイムで4枚採用はないかな?」というのが共通の認識です。ただ、序盤に前述の役割を持てること、ライフクロスクラッシュ系の相手に対してダメージ無効のライフバーストが強力であること、特に《タナバタ》など<植物>のシグニを厚く採用したデッキであれば、今まで通り4枚のままであるケースも見られます。《タナバタ》がいるとエナの工面が非常に楽になるんですよね。
という具合に、人によって構築が多岐にわたるデッキになっているので、自分で考え、自分に合った【ひとえ】を目指してほしいです。
レベル1〜2シグニの枚数について
アタッカーが《バーバリアン》《モミジ》《オニカナボウ》の3種で、特に前2種は厚く採用されています。
《バーバリアン》は緑エナとして運用できます。また【ランサー】ゆえに、ミラーや【参上緑子】のダメージ無効系ライフバーストの上からでも点が取れるのが強みです。デメリットは<植物>でないことと、5000ラインが取れないため、特に後攻2ターン目で火力にならない場合がある点でしょう。
(オレ、ホン、トル!)
《モミジ》は5000を除去できるのが非常に偉いです。エナコストも<植物>シグニなので、《モミジ》《カレハ》《ダイナマイトツリー》など緑以外の植物を支払い、エナの色を整理できます。デメリットは緑ではないことに尽きます。特に【参上緑子】や《炎剣之舞》など速攻系を相手にすると、赤と緑の差が致命的になります。序盤火力であるゆえバニッシュされエナに置かれることも多いので、エナは濁りやすくなる傾向にあります。
ということもあって、《バーバリアン》《モミジ》の枚数はゆらゆらふらふらしています。3−3とか、4−2とか、4−2−1とか、4−3とか、もう本当に色々あります。私は3−3派で、後手に5000を除去することを、エナが濁る点を差し置いても重視しているからです。ここも人それぞれですね。
余った枠に《ボンサイ》と《ローザリ》が入ってきます。レベル1が全体で10〜12枚くらいに収まればいい感じかなーと。
対【夢限】などで早々に5−2を切りたくない相手に対して序盤は上からレベル1〜2を引き続けたいという気持ちと、後半になればなるほどレベル1は弱いという気持ちの間でゆらゆらしながら、今日もこまかーい枚数調整に明け暮れています。
ちなみに《イケバナ》はノータイムで4枚です。無料でエナがもらえるカードなので。
レベル3について
《トロイ》以外に今回は《ダイナマイトツリー》《オサギツネ》《キロネックス》《ベル・クリケット》《ムンクシャウト》を採用しています。
《ダイナマイトツリー》はこれまでにちょこちょこ取り上げた通り、ノーコストで8000以下をバニッシュできるため実質【エナチャージ2】のシグニです。しゃがみも出来ます。<植物>ゆえ植物ガードに充てられますが、《モミジ》同様色が赤なのが響くため、1枚の採用にとどめています。仮想敵は【ブルアカリメンバ】で、デッキが1周する間に1回使えれば有力かなというところで1枚です。2枚でもいいけれど。《ムンクシャウト》は《ダイナマイトツリー》のお試し枠です。赤が嫌だったので、ライフバースト枠でアタッカーとして使ってみました。ぶっつけ本番で出番がなかったため使用感はわかりません。
《キロネックス》と《ベル・クリケット》は黒エナ枠です。《カレハ》と合わせて6枚の採用です。5枚でもいいかも。
(SSRを探すのに結構苦労した)
《ベル・クリケット》の役割は従来通り。《秤アツコ》のメタくらいで、対【ブルアカリメンバ】では任意のタイミングでエナゾーンから出すのが大変になってきたので、1枚まで減らしました。2枚合ってもいいけど、黒なのが微妙に足を引っ張ります。
《キロネックス》は1コストでパワー5000の以下のシグニを除去できます(5000以下を対象にとってからマイナス10000)。《オサギツネ》と合わせてバフを自軍に振って、《パープル・デイズ》を乗り越えたり赤や黒の以下バニッシュ・マイナナスを踏み越えたりします。《キロネックス》は緑黒なので《デッドリー・ポータル》で拾えるのもグッド。
レベル3は緑・黒シグニを中心に今後もちまちまカスタマイズしていきます。環境や好み、メタに応じてチューニングしていく見込みです。
緑シグニであれば各種黒アーツでトラッシュからのサルベージが可能になり、他の色でもエナに置いておけば《フラスタ》から展開可能です。エナの管理がよりシビアになっており、他色のシグニの運用は厳しくなる一方ですが、素引きでクリティカルな仕事ができるシグニor不利を有利にひっくり返せるシグニであれば、無理して突っ込む価値はあります。私がそういう貫通プランを好んでいるというのもありますけどね。
アーツはおおよそ語ったので割愛します。
6:当日の戦績と終わりに
チームアザエラ勝ち チーム勝ち
夢限勝ち チーム勝ち
イオナ勝ち チーム勝ち
4ユヅキ勝ち チーム負け
参上緑子勝ち チーム勝ち
トナメ
参上負け チーム負け
(構築です)
個人5−1でベスト8でした。良いデッキでした。
苦手意識の強いアザエラ、苦手な夢限を取れたのが金星でした。これらのデッキに対しては相手のライフを1〜2まで頑張って削り、相手のアタックに対する防御で、《今昔之感》を《加持祈禱》の軽減コストに充てつつ、《付洋雷同》で《ゼウシアス》や《ギュウキ》などを弾きます。そして返しに《デッドリー・ポータル》で3面要求からのリーサルを狙うのが鉄板ルートです。
前日に友人がそれをツイートしていたのをたまたま目にして、本番アドリブでそれができたのが、勝ちに結びついたひとつの理由です。
最終戦とトナメ1回戦目の参上緑子は同じプレイヤーです。予選が後攻、トナメが先攻で、先後によって立ち回りが変わります。
大まかなビジョンは「エナをしっかり溜めながら相手のライフクロスを2枚まで削る(《竜花》での回復をケアするなら1枚)」「手札に《今昔之感》用のパワー10000以上のシグニを3体抱える」「相手のフルスイングに対して《付洋雷同》を《加持祈禱》の軽減コストにしつつ、《今昔之感》を軽減して撃つ」「返しに《デッドリー・ポータル》とゲーム1でリーサル」です。こちらがエナを抱えると、【参上緑子】側もフルスイング+ゲーム1でエナを焼ききれないケースがあるようです。まあ参上側のデッキの回転やライフバースト、こちらのエナの濁り次第で変わりますが。
先攻だとひとえ側のアタックフェイズが1回減るので、状況によってはレベル3へのグロウをスキップすることも考えます。アドリブと対戦経験、その場の判断が求められる、お互いにとってシビアなマッチアップです。
トーナメントでは相手のレベル3へのグロウを色事故でスキップさせましたが、お相手がレベル2で見事な立ち回りを見せ、返しにライフ3枚を貫通できず負けてしまいました。いやこれはあさぎさんが本当にうまかった。負けはしましたが、楽しい試合でした。
ビート系に対してはエナを抱えていきます。殴り合いになるので要求を絶え間なく進めていき、ハンデスがない相手であれば《デッドリー・ポータル》もリコレクト前に撃っていいです。都度判断で。
個人5−1はできすぎた結果でしたが、苦手の【ブルアカリメンバ】とマッチしなかったのが大きいです。関東は【ブルアカリメンバ】の分布も多く、セレモニーハイパーに出るプレイヤーなら練度も相当高いので、当たっていたら厳しい戦いを強いられたことは間違いありません。その分1戦目と2戦目にアザエラ・夢限に金星を取れたのは、チームとしても勢いをつけられてよかったですね。
個人的には連覇がかかっていたこともあり、最終結果にはやや悔しさも残りますが、どの対戦も「良いデッキを善く回す」ことができたので、大変満足です。チームメイトのとれのさん、きりたにさんとずっと話していた「終わってうまい酒を飲もう!」という約束も果たせたかな?
また優勝・準優勝が、根城としていた船堀とゆかりのあるチームだったのも嬉しかったです。優勝チームは船堀の新人たち、準優勝チームの1人は9〜10年近くの付き合いの友人です。彼らが揃いも揃って大きな結果を残せたのは、一緒に遊んできた身としては、感慨深いものがあります。
特に準優勝のリメンバね。ほんと嬉しい。語り出すと激重感情になりそうなのでこの6文字にしときます。今度変異カオスやって餃子飲みしましょう。いやほんとよかった。
さて、来期のひとえはどうなるかわかりません。とりあえず《参式 一衣》のURをゆるゆる探していきますので、目撃情報や「ゆずるよー」という方がいらっしゃったら、ぜひ教えて下さい。いやでも今のSLRも好きだし悩ましいね。
来期は【ピルルクAPEX】からスタートしますが、良い構築がちょっと浮かんでいません。もしかしたら【ロストコード・ピルルク】もトライするかも。何分ひとえにお熱だったので、みそすーぷもあまり煮込めておらず。思いついたらまた何か書きます。ユーザー出展もあるわね。
ながーーーくなりましたが、また次回の更新で。
ここまでお疲れ様でした。よー読んだねえ。
(このフレテキは1、2とつながっていて好き。瞳食べてそう)












