paper moon 照らす世界に
何度も何度も私はあなたを描き出した
描き出した架空のあなたと
頭の中
何度も何度も逢瀬を重ねた
あなたの優しさに触れ
愛しさに震え
どうしても交わらない2人の
平行線は近づくことを許されず
磁石のS極とS極みたいに弾き合う
無理みたいねって
呆れて笑った
それでも「愛してる」という言葉が
私たちの間には確かに存在していて
(さてどちらがそれを言ったのだっけ)
形の無い言葉の存在に頷いて
実体の私は
何度も何度も別れを告げる
あれから
火傷をした後の舌みたいに
何の味も感じられないの
何が存在していて
何が存在していないのか
架空のあなたは教えてくれない
はぐらかすばかりで
液晶の向こう
小さいあなた
拡大して懐かしむように
まるで他人ねって見つめてる