今日は妻が病院から退院する日となっていた。
退院してからは妻と娘は実家でしばらく過ごす事になる為、
家から妻の着替えなどといった私物を病院まで持って行かなければならない。
昨日の事があり正直気が進まなかったが、
妻の両親や娘には悪いかと思い、素直に行く事に決めた。
病室に着き荷物を渡して妻と話したが、まだ妻を疑っていた自分は
温かい言葉をかけてやれなかった。
妻はずっと信じて欲しい、信じて欲しいと言ってすすり泣き始めたが
自分の過去の記憶から、それでもなお妻の事を疑わずにいられず、
持ってきた荷物は妻の家族の車に載せてもらい、
自分は途中で買い物がしたいという理由をつけて車には乗らずに
病院でそのまま別れて帰ってしまった。
帰ってからはまたしばらく眠る事にした。
結局昨晩はあまり眠れなかったので単純に眠かったというのもあるが、
今の気分を少しでも和らげるには寝るしかないと思ったのだ。
目を覚ますと夕方前といった時間で、気持ちも少し落ち着いていた。
携帯を見ると父から妻と娘を案じるメールが届いており、
今回の事を伝えようかと考えたが、そこは思いとどまった。
父も母も妹も、自分たち夫婦と娘の事を応援してくれている。
娘の血液型の件も未だに気になってはいたが、確定した訳ではないのだ。
少し考えて、携帯に残っていた昔の写真を見返してみる事にした。
結婚する前から妻とは色々な場所に行って、その度に心から楽しんでいた事を思い出し
同時にその時は妻の事を疑うような気持ちなど全く持っていなかった、という事に気付いた。
そこで漸く、自分が妻に冷たくしすぎてしまったと思った。
どう言葉を切り出せばよいのか迷ったが、妻には謝っておいた。
疑った事が悪いとは思っていないが、妻を傷付けたのは間違いない。
もう自分達はお互いを信じて結婚する事を決めたのだし、
これからは信じる事を優先するべきなのだろう。
それでも裏切られたことがあったとすれば、それは自分自身の眼が甘かったと諦める。
前を向いて生きていかなければならない。
~今日のBGM~
Amnolys