主治医の先生の訃報が届いた。
100才近い高齢だったので
ずっと頭の片隅に
いつまで診てもらえるのかという思いがあった。
そんな思いがあるのに
きっといつまでも診てもらえると
思い込んでいた。
親がいつまでも そばにいてくれるという思いと似ている。
一瞬頭が真っ白になったのだけれど
一番始めに頭に浮かんだのは
感謝のひと言だった。
よく テレビで俳優さんが亡くなって
育ててもらって感謝しかないと言うのを聞いていて
感謝が最初に浮かぶのかって不思議だった。
でも 訃報を聞いて 最初
本当に感謝の思いだった。
あとからジワジワと悲しみがやってきて
今は思い出すだけで涙がこぼれるけれど。
私が生まれたときから診ていただいていた
井上先生が亡くなったときも本当に悲しかった。
あのときは感謝ではなくただただ悲しかった。
息子たちも生まれたときから診ていただいていて
引越してからもなにかあると
車で連れていって診ていただいたくらいだったから
これから 病気になったとき
どうすれば良いのかと途方に暮れていた。
それから あちこち地元の病院を回り
どこも しっくりこなくて
そんな中で安心をくれた先生が小林先生だった。
どこに行ってもわからなかった
息子の咳の原因を突き止めてくれて
それから20年近く
ずっとずっと心のよりどころにして
子どもたちが行くと 病気なんだけど
とっても喜んでくれて
お茶目な対応で安心させてくれて
先生に手を当てられるだけで
治った気になるくらい。
小林先生に診てもらう度に
これが本当の手当てなんだって思った。
心配でわざわざ家に電話をくださったこともあった。
娘は赤ちゃんの時から診ていただいているから
性格を把握していて
「お嬢ちゃんのことは僕はよく知っているからね」
といつもメンタルを助けてくれた。
息子が行くと
診察の順番がくるとマイクで
名前ではなくて
「先生」って呼ぶから
先生に先生って呼ばれるって
恥ずかしいんだよって
息子が言っていた。
私が行くと
「ママが美人だから子どもたちはみんなイケメンと美人さんで。で、お嬢ちゃんはいつデビューするの。」
「いえ、先生 私が先にデビューするので。」
って いつも同じことを言って笑っていた。
病院で受付をしていた友達に
「小林先生はあなたの家族が大好きで、いつも話していたのよ」って言われて
もう涙が止まらない。
今年 久しぶりにインフルエンザにかかって
ちょっと苦しかったけれど
小林先生に最後に診ていただいて
本当に良かった。
悲しすぎてまだご冥福をお祈りできないけれど
信じたくないけれど
でも やっぱり
感謝のひと言です。
小林先生 ありがとうございました。


















