『疾走 上下』 にんげんの、腐敗臭を放つ膿みとか汚泥とか・・・ そういうものを余すことなく浴びせられる「ひとり」「ひとり」の物語。 次々に振り下ろされる悪意の刃に、わたしの方がまいってしまって、 ゆうべは、床に就いてからもしばらく涙が止まらなかった。 何の涙か分からないけれど、にんげんの弱さゆえの醜さとか、「もういい」。 けれども、こういう気持ちにさせられる話が、実はわたしにすごくしっくりくる。