とりあえず最初の飲み物ということで


「あたし、これー」


チャコがパっと決める。


「んじゃ、ボクはナマで」


ビール大好きなボクは決めるまでもない。


アイは・・・


「あたし、あまりお酒飲めないんですよ」


メニューを見ながら考え込んでいる。


「へ、へえ、なんか飲めそうな感じだけど」


席のショックもあり吃音ってしまう


「あー、それよく言われる。飲めないけどこういう所の雰囲気は好きなんです」


ちょっと照れたように笑って言うと、チャコが


「あたし、なんでも飲めるし。お酒大好き。日本酒飲む?ポン酒!」


と、こちらは見た目そのまんまだ。




飲み物が決まると出口近くにいたアイが


サっと店員を呼びオーダーしてくれる。


「あー、ごめんね。ボクが頼まなきゃいけないのにね」


ジェントルメンとしてドン臭いことをやってしまった


「いいえー。こっちの席の方が頼みやすいですし。それにあとで迎えにいかなきゃ」



あぁ、なるほど・・・席を移動した理由はそれか。


ちょっとホっとしたりして。


ん、なかなか。さりげなく気を使ってくれるコだ。


でも・・・


「あまり幹事さんだからって気を使わないでくださいね」


感心するがほんとに楽しんでほしい


「え?あたし?あはっ、気なんか使ってないですよぉー?」


アイは惚けた口調で返すが、なんとなく満足気にもみえる。


「そそ。気なんか使ってないって。そういうのナシでいこう」


そう言いながらチャコが手をしっしっと横に振る。


うん、その通りだがチャコちゃんはちょっとは気を使え。





気がつくと場の空気が和んできたように思える。


この時のアイのちょっとした気配りが


なんとも心地よくボクの中に入っていってたんだ。