◆ニート・ニート・ニート

 

ⓒ2018 三⽻省吾・⾓川⽂庫/映画「ニート・ニート・ニート」製作委員会

 

  監督:宮野ケイジ

 出演:安井謙太郎、山本涼介、森田美勇人、灯敦生 ほか

  

 ●ストーリー:ある事情からヤクザに追われているレンチ(安井謙太郎)は、高校時代の同級生で、

  コネ入社した会社になんとなく辞表を出したタカシ(山本涼介)と心に傷を負い、引きこもりになっている

  キノブー(森田美勇人)を巻き込み、「北海道に行くべ!」と強引に旅へ連れ出します。出会い系で

  知り合った女の子、月子(灯敦生)、も加えて、彼女に言われるがままに宗谷岬、阿寒湖、襟裳岬、

  札幌…と北海道を駆け巡ることになるが…。

  

 

 観光地ではない北海道の雄大な自然が描かれているのがいいですね。どこまでも続く道路と

 草原や畑を見ているだけで、別世界への旅のようでした。宗谷岬、行ったよな~と、懐かしい

 気持ちになったりして…。安井謙太郎さんは、レンチという人物の特徴を上手くとらえて演じて

 いると思いました。自然の中で身体を使って働く…都会での生活に慣れている人、特に若い

 人たちにとっては、これこそ「生きる」実感ではないかと思いました。そして、月子ちゃんには、

 絶対幸せになってひしいですね。

 

「ニート・ニート・ニート」は、11月23日(金・祝)まさかの勤労感謝の日!から

札幌シネマフロンティアで公開になります

 

 

◆母さんがどんなに僕をきらいでも

 

 

©2018『母さんがどなに僕を嫌いでも』製作委員会 

 

 監督:御法川修

 出演:太賀、吉田羊、森崎ウィン、白石隼也、秋月三佳、木野花 ほか

 

 ●ストーリー:歌川タイジ(太賀)は、幼い頃から美しい母・光子(吉田羊)のことが大好き。しかし、

 家の中にいる光子はいつも情緒不安定で、タイジの行動にイラつき、容赦なく手を上げる母親

 だった。17歳になったタイジは、光子から酷い暴力を受けたことをきっかけに、家を出る。

 一流企業の営業職に就いたタイジは、卑屈で自分の殻に閉じこもる大人になっていたが、

 かけがえのない友人たちに力をもらい、再び母と向き合う決意をする。

  

 

 何といっても孤独なタイジにとって、3人の友人たちの存在が素晴らしいと思いました。彼らがいなければ、

 タイジはお母さんと真っすぐに向き合うことはできなかったでしょう。辛いタイジの過去を知った同僚の

 カナの言葉には、素直に涙が流れました。あんなにステキすぎる友人に囲まれたタイジがうらやましい!

 そして、タイジを無条件に愛してくれたおばあちゃん(血はつながっていないが)の存在も忘れては

 ならない。演じたのは、木野花さんですが、同時期に公開されている「十年」の中の徴兵制をテーマに

 した「美しい国」では、広告代理店勤務の太賀さんと、デザイナーの木野花さんが共演されていて、

 この二人の役がダブり、興味深いですね。息子と母親…不思議な繋がりと赦しを感じてほしいと思います。

 

「母さんがどんなに僕をきらいでも」」は、11月16日(金)から札幌シネマフロンティアで公開になります