◆素敵なダイナマイトスキャンダル
監督:冨永昌敬
出演:柄本佑、前田敦子、峯田和伸、松重豊、村上淳、尾野真千子 ほか
●ストーリー:
バスも通らない岡山の田舎町に生まれ育った末井昭(すえいあきら)少年は7歳で母親の
衝撃的な死に触れる。肺結核で医者に見放された母親が隣家の若い男とダイナマイト自殺
したのだ。
青年になり、上京した末井昭は小さなエロ雑誌の出版社に入り、編集長として新感覚の
カルチャーエロ雑誌を創刊。その後も発禁と創刊を繰り返しながら、数々の雑誌を世に
送り出していく…
昭和のアンダーグラウンドカルチャーを牽引した雑誌編集長、末井昭さんの実話をもとに
綴られたエッセイが原作。
「芸術は爆発だったりすることもあるのだが、僕の場合、お母さんが爆発だった―」
この強烈なコピー、映画を見ていただけると詳細が描かれています。私にとって本作は
ドツボにはまった映画でした。私が学生だった時代に淫靡な世界と感じ、また覗いてみ
たいと興味もあった世界でした。そしてなんとも懐かしかったのが、雑誌の版下を作って
いるシーン。私もツイザーやデザインカッターを使って写植の張り込みをしていました。
紙の版下をスクリーンで見ることが出来、懐かしくまた嬉しく感じました。
登場人物が当時の胡散臭いクリエイターらしくて good です!特に近松さん役の峯田和伸
さん、警視庁の諸橋係長役の松重豊さんがお気に入りです。
昭のお母さんのエピソードと、昭が大人になってからの生活が、それぞれ一本の映画に
なるくらいの作品になっています。私にとっては、丸ごと懐かしさと憧れが詰まった
映画でした。中高年の方には懐かしく、若い人には新鮮に映るのではないでしょうか。
素敵なダイナマイトスキャンダルは3月17日からディノスシネマズ札幌劇場で公開中です!