こんにちは。
前回のデート編①のつづきです。
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大阪で国際交流のハイキンググループと合流し周りを見渡すと、
親子で来ている日本人、外国人、様々なバックグラウンドをもつ人が来ていて、なるほどこれは面白いイベントだと思った。
それぞれそこで初めて出会った人との会話を楽しんでいる。
スケジュールは、大きく分けて2つ。お城探索と山登りだった。
お城巡りは好きな方で、いろいろな城を見てきた身としては
わくわくだったのだが、山登りに関してはご無沙汰だったので
不安ながらに大丈夫そうか彼に聞いたら、背の高い優しそうな男性がこちらを振り向いた。
そのイベントの主催者の一人であるアンディさんだった。
彼は娘さんを連れてきていたようで、
「僕のこの小さなお姫様も登れるくらいだから、大丈夫!」
と言いながら慰めてくれた。
迷惑をかけずに済みそうだと安堵したと同時に、
自分の娘を「お姫様」という彼は幸せそうで、娘さんも愛情を一身に受けて幸せだろうなぁ、と思った。
城に登れるということで、二人でてっぺんまで。
すがすがしい冬晴れの空は青く澄みわたっていて、1月なのに春のような暖かい空気。
彼はNikonのカメラを持ちながら、あちこち写真を撮っている。
一方私はというと。
その写真を撮る彼の横顔やら後姿をスマホに収め、ニヤニヤしていたのだった(ストーカー)(本人には了承済)。
その後、スケジュールにはなかった小さな動物園に行くことになった。
なんだか本当のデートみたいだ・・・!
とドキドキしながら歩いていたら、とある動物について説明を始めた彼。
聞いたことのない名前のものだったので、うんうん、と話を聞いていると、
そこで事件が起こった。
日本語でも説明してくれたときのこと。
「あ、うんこだ」
と彼が言った。
ええぇ?!
イギリス人がうんこっていったーー!!
うんこ!うんこ!
彼の意外な一面をみた私は、その後見た動物を全く覚えていない。
その当時、私のイギリス人へのイメージはこうだった。
綺麗なブリティッシュイングリッシュを話し、レディファーストで
人前で汚物の名前すらも言わない、ましてやうんこなどと!
今ではそれが全くの幻想だと理解しているけれど、その当時は衝撃を受けたのを覚えている。
彼と出会う前は本当にイギリス人はそうだと考えていた。
次の山登りはなかなかハードなものだったけれど、なんとかギブアップせずに登りきることができた。
登りながら彼と話しているうちに、ふと考えたことがあった。
周りを見渡し、オーストラリア人の美人のお姉さん、アメリカ人のナイスバディのお姉さんなど、人目をひく美人がたくさんいる。
やっぱり彼は私なんかより、背が高くてナイスバディな女の人の方がいいんじゃないか・・・と。
そうこう考えているうちに、自分は彼の隣に立つ器じゃないなぁ。
なんて、山のてっぺんで一人で沈んでいく太陽をみながら感傷的になったり。
記念の写真撮影では、私と彼の間の微妙に空いた隙間がその複雑な気持ちを物語っていた―――。
✩次回、まるで少女漫画!帰りの電車の居眠り作戦!