東山御物の美

評価  ★★★★★


平日休みに美術館をはしご。ひさしぶりに「ぐるっとパス」を購入し、汐留で「ジョルジョ・デ・キリコ展」と日本橋で「足利将軍家の至宝」を鑑賞。奇抜な絵画と繊細な水墨画という極端なベクトルの違いが楽しい一日。三井記念美術館での唐物については全く知識がないので、その精緻さと美意識に感銘した次第。中国三千年の歴史には敵わない先進性の文化が存在していました。夏景・秋景・冬景の山水図は大陸のスケール感とモダンな感性を劇画的な叙情性で描き、思わずしばらく立ちすくみ、目玉の国宝「桃鳩図」や「鴨図」の超絶リアリズムにはその静けさとは真逆の興奮を覚えます。もしかしたら、自分の中に若い頃にはなかった感受性が芽生えてきたのかもと驚きです。枯れているように見える作品に瑞々しいものを感じるのです。私的にはとても刺激を受けた充実の内容の展示で大満足。明後日に閉幕なので、未見の方は後悔なきよう急いでください。必見ですぞ!