ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900

評価  ★★★★


皇居乾通りの一般公開へ出向きました。すごい行列でした。最後尾に並んでから約小一時間で坂下門より入門、人混みが続く中桜を楽しみ乾門より退出。そして北桔橋門より皇居東御苑を抜け丸の内へ戻り、三菱一号館美術館で開催中の「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900」展へ。ポスターに使われているアルバート・ムーア《真夏》は最終章に飾られ、鮮やかな色彩と繊細な描写で圧倒的な存在感に眼福。夢に出てきそうな幻想的で優雅な場面に引き込まれました。他にも印象に残る作品が幾つか。アンニュイでチャーミングなフレデリック・レイトン《母と子》、完成度の高い肖像画 ウィリアム・ブレイク・リッチモンド 《ルーク・アイオニディーズ夫人》、現代的な佳品 アンナ・アルマ=タデマ 《「タウンゼンド・ハウス」応接間、1885年9月10日》など、美しい絵画を堪能。この展覧会の展示には家具工芸品もあり、そこに散漫な感触を持ってしまったのですが、唯美主義運動が生活様式全般に向けてのものであるため致し方ありません。それにしても、ヴィクトリア朝の英国絵画の面白さにあらためて気づかされる内容でよかったです。