気がつけば、私の運転する車は見慣れた大きな邸宅の前に停車していた。心と同じくらい重くなってしまった体を引きずるようにして、玄関をくぐると賑やかな音楽が聞こえてきた。
「あ・・・・パーティだったっけ。」
リビングと、リビングに面した庭には大勢の人が集まっていた。今日は、パパが、今一緒に仕事している人たちが、招待されているらしい。
『遅いぞ!キョーコ!早く帰って来いって言っただろう!・・・・どうした?何かあったのか?頬が赤くなってるじゃないか!?誰にやられたんだ!』
私に気付いて近づいてきたパパが、心配そうな顔をして私の顔を覗き込んで、驚いたように目を見開いた。
『・・・・パパ。ただいま帰りました。何でもないんですよ?それよりも、すごい人ですね!』
パパに心配をかけたくなくて、顔に笑みを浮かべた。
『まったくお前はすぐにそうやって誤魔化そうとする!私はそんなに頼りないか?泣きたいなら泣いてもいいんだぞ?』
『本当に何でもないんです。これはちょっと、ドジっちゃって・・・・へへ。っっっっ!?』
ほっぺをぽりぽりと掻いて笑うと、おでこに強烈な衝撃を感じた。あまりの痛みにへなへなと蹲る。
『ふふん。痛いだろう?痛くて涙が出るんじゃないか?』
にやりと笑うパパに、涙がポロリとこぼれた。
『う~~~~~~~。パパのでこぴんは凶器なんですからぁっ・・・。ふぇぇぇぇんっ・・・・・』
パパは私の前にしゃがみこむと、そのまま泣きじゃくる私の頭を抱え込んで、ぐしゃぐしゃと掻き混ぜながらすまんすまんと笑った。
異変に気付いたママに赤くなった頬に湿布を這ってもらい、ママとパパに挟まれるようにしてソファに腰かけて、ひっくひっくとしゃくりあげ続けた。落ち着いたところでぽつりぽつりと今日あったことを話した。
『まだそんなこと言ってたのか。キョーコほど魅力的な娘は他にはいないといつも言っているのに。』
『だって・・・それは、身内の欲目というか・・・』
『あまり言うとまた、クーのキョーコ自慢が始まるわよ?そういえば、共演のジョッシュがキョーコの事絶賛してたって言ってなかった?』
それを聞いたパパは苦虫を噛んだような顔をした。ジョッシュという名の青年は、パパの撮影に、変装してこっそりついていった時挨拶だけした覚えがある。パパが何故かそれ以上近寄らせなかったのだ。
『ああ。キョーコに手を出すなら、俺の屍を超えてゆけ!と言ってやったがな!』
『・・・・あなた?』
にっこり微笑むママは、かの先輩俳優を彷彿とさせて、背筋が寒い。思わず私まで青くなってしまった。似非紳士ならぬ似非淑女!?
『・・・呼んできます。』
顔を青褪めさせてパパはすごすごと席を立った。
『・・・ママ?』
『第三者目線の意見を聞いてみましょう。ね?』
迫力のある笑顔に、こくこくと頷いた。
『クーさん。本当に彼女を紹介してくれるんですよね!』
『・・・ああ。言っとくが紹介だけだからな!それ以上は許可してないぞ!』
暫くすると、パパがジョッシュさんを連れて戻ってきた。面白そうな顔をして、監督さんも一緒についてきていたけれど。
私は慌てて立ち上がって、二人にお辞儀した。
『こんばんは!先日はお世話になりました。』
顔を上げた時、何故か驚いた表情の二人がいた。
なんとか、毎日更新頑張っております。あと一話分しかストックないんですけど(汗
二月中には終わらせたい。←どんだけかける気だ∑(-x-;)