社長さんの家で久遠さんと別れて、早一カ月。私は、今非常にいたたまれない状況に陥っている。
憧れのロイヤルスノーの撮影は、あの日の翌日から怒涛のように行われた。どうも、ぎりぎりまで社長さんのところで止めてあったらしく、期限がかなり迫っていたらしい。
そして、現在私のいる事務所には、早速ポスターがいたるところに貼られている。何とも言えない恥ずかしさを感じながら鞄で顔を隠しながら、こそこそと事務所のロビーを通過しようとしたのだが。
「あっ・・・・すみません!」
前方不注意で、誰かの胸にどんっとぶつかってしまった。そのまま、頭を下げる。・・・・視線の先には、見覚えのあるブーツ。
「敦賀さん!?お帰りは明日じゃなかったんですか!?」
「うん?ただいま。電話したんだけどつながらなかったから、こっちにいるかなと思ってね?」
きゅらきゅらと微笑まれて、後ずさる。怨キョがなぜか反応しているわあ!!
「それは、お帰りなさいませ!お疲れ様でございました!では!私めはこれにて!!」
「うん?久しぶりに会った恋人にそれはないんじゃないかな?撮影頑張ったみたいだね?」
しっかりと腕を握られて、視線をポスターにやって、似非紳士スマイルを炸裂させられた。これは不可抗力だったのよーーー!
いたるところに貼られた、私のポスター。問題はその中の一枚にある。オーデコロンを手に持って、挑戦的にカメラを見つめる私。嫉妬深いと宣言している久遠さんの怒りセンサーに引っかかったのはその衣装だ。薄いベールを躰に巻きつけたのを、衣装というのならば。余計なものはいらない。と、煽り文句のついたそのポスターはうっすらと、私の肌が透けて見えていた。でもでもでも!
「下には、肌色の服を身に着けているんですーーーー!ヌード写真とかそういうんじゃないんですーーー!」
「うん?当然だよね?俺だってまだ一度しか見せて貰ってないのに、不特定多数の馬の骨に見せるなんて冗談じゃないよね?」
顔がくっつきそうなくらいのところで首を傾げられてこくこくと頷いた。
「本当かどうか、ポスターを貰って帰って比べてみようか?」
「それは、どうかご勘弁をーーーー!!」
さわやかな顔でえげつない事をのたまう久遠さんに涙目ですがりつく。
「そんなかわいい顔してもダメ・・・だ・・・よ?」
言葉の途切れた久遠さんの視線を追うと、ロビーに鎮座する巨大モニター!なんで今このCMが!若草色のワンピースを着てドレッサーの前で薄桃色のルージュを塗って微笑む私。問題はこの後よ!
「敦賀さん!社長さんにご挨拶に行きましょう!そうしましょう!!」
「え・・・?どうしたの・・・・・っ!?」
そうこうしている間にモニターの中の、うきうきとデートに出かけた私が帰って来た。私の足元がズームされて、若草色のワンピースがすとんと落ちる。黒いドレスがするすると足元から上がってくるのに合わせてカメラが追ってくる。、真っ赤なルージュを一塗りして、鏡に映る私がにやりと笑った。パーティ用のバッグを手に持ちズームアウト。できる女はシーンで選ぶ。私のセリフが遠くから聞こえる。
「あはははは・・・・・失礼します!」
逃げるが勝ちよ!とダッシュで逃げようとした私の体がふわりと浮いた。
「つつつつつつるがさぁん!!??おろして~~~~~~!」
「俺の知らない間にいろいろあったみたいだね?幸い二人とも、頑張ったご褒美に今日から一週間オフだって。家に帰っていろいろ教えてもらわないとね?とりあえず、ただいまのキスがまだだったね?」
「ん~~~~~っぷはっ。い~~や~~~!!破廉恥ぃぃぃぃぃぃ!!!」
イロイロメーターが振り切れてしまった久遠さんにお持ち帰りされることになったのだ。一週間なんて・・・・・無理よーーーーーー!
…クレームは受け付けておりませんwあはw
頑張って絞り出したんですがこれが限界だったんですぅ。脱兎ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ