お兄ちゃんと私 【 honeymoon編―4 】
「さて、じゃあ行こうか。」
「ほぇっ?」
ひょいっと、膝の裏に腕を入れて抱き上げられた。
「行くってどこによ!?」
私をお姫様抱っこして、上機嫌に部屋を出ていこうとする蓮を慌てて引き留めた。
「どこって、俺たちの部屋にだよ?キョーコの部屋は、ドア壊れちゃったから今日はここでは寝れないだろ?」
「壊れちゃったって、あんたが壊したんでしょう!?大体、まだ夜でもないのに私は寝ないわよ!」
聞く耳を持たずに、蓮はすたすたと歩いていく。その足が、ある部屋の前でぴたりと止まった。
「もう!降ろしてよ!?大体ここ物置部屋じゃないのよ!私に、物置で寝ろって言うつもり!?」
「そんな事言わないよ。それに、使わないものを置いてあるから物置って呼ぶんであって、使えば物置とは言わないよ?」
「???・・・・何言ってるの?それより、早く降ろしてよ!」
言ってる意味が、さっぱり分からないわ。目の前の部屋は、とりあえず必要のない荷物が置いてあるってパパが言ってたわよね?普段は、鍵がかかってるから何が入ってるのかは、私は知らないけど。
「まだ、駄目だよ。花嫁は、敷居をまたいじゃいけないんだろ?」
「それは、玄関の話でしょう!大体、私は花嫁じゃないわよ!!」
「同じだよ。俺たちも結婚式で誓ったんだからね?」
いやいやいや、私は誓ってないし!言い返そうと思ったのに、目の前のドアが蓮によって開けられて文句が引っ込んだ。
「うわぁ!・・・・何これ!?」
目の間に、広がったのは蓮と私の部屋を二つくっつけたような大きな寝室。天蓋付クイーンベッドにお姫様ドレッサーまであるわ!!思わず、キラキラしながら部屋を見渡してしまった。
「気に入った?今日から、ここがキョーコの寝室だよ?」
「へ?私の部屋?なんで?あっちの部屋は?」
私の部屋は、さっき蓮がドアを吹っ飛ばしちゃったけどちゃんとあるわよ?
「あっちは、子供部屋。夫婦で使うには、少し手狭だろう?
最初は、俺たちの部屋を後から仕切りを外す設計にしようかって話だったんだけどね。
子供部屋もいずれ必要になるし、どうせ、仕切りもすぐに外さなきゃいけなくなるんだったら、最初から別にしようって事になったんだ。」
「・・・・・・・それはどういう意味?夫婦?誰と誰が?っていうか、私はそんな話聞いてないわよ?」
設計って、一体いつから計画してたのよ!それよりも、私以外全員グルなの!?
「うん、言ってないし。だって、キョーコと初めて会ったときにビビビときちゃったからね?
すぐに、お父さんにキョーコとお付き合いしたいってお願いしに行ったんだ。
で、結婚した後の事も考えて、新居もそういう設計に調整しようって話になったんだ。
父さんも母さんも、キョーコと俺が結婚したらずっとみんなで一緒にいられるってすごい乗り気でね?」
・・・・・・なんだか、意識が遠のいてきたわ。どうして、私より先にパパに了承を取りに行くことになるのよ?パパ、ママ、私の意見はまる無視ですか??
「キョーコの好みに合うように、母さんがコーディネートしたくれたんだ。気に入っただろう?」
「・・・・凄く素敵だけど、私は、向こうの部屋でいいわ。」
ここで、意識を手放したら負けよ!私の、貞操が危ないわ。
「でも、二人で使うにはベッドが狭くない?」
「何、破廉恥な事をさらっと言ってるのよぉ!私が一人で使うのよ!!」
「それは却下。せっかく、両思いになれたんだから、あんな事やこんな事をいっぱいしたい。」
誰か、この男を何とかしてー!!あんな事やこんな事って何よー!?
「まあ、取りあえずベッドの使い心地を試してみたら?」
そういうと、ポスンとベッドの上に落とされた。ベッドマットも使い心地抜群ね♪なんて言うわけないでしょ!この、破廉恥男ーーーー!