ドキドキタイフーン | カホルのブログ

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ス/キ/ッ/プ/ビ/ー/トを愛するカホルが思いつきで進めるブログです。
二/次/小/説を始めました。知らない、苦手という方は閲覧をお控えください。
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ドキドキ続きをと仰っていただいて、未だ思いつかず。とりあえず、キョーコちゃん視点で、遡ってみました。そんなに長くはならないと思います。最終話までに、番組設定をひねり出す予定。見切り発車ですみません。

リクして頂いたhinaさんに捧げます。

それでは、どうぞ。






ドキドキタイフーン




「・・・ふう。今日も上手くいったわね。」



坊の頭を外して、息をついた。もうこの仕事をするようになってから随分なる。私の初めての仕事。最初はいやいやだったけど、コーナーを任されるようになって愛着が湧くようにもなった。それに、ナツの時もそうだったけど、いろいろなゲストがくるので演技の参考になる事も多くて、結構おいしい仕事でもあるのよね。

着ぐるみを脱ぐためにぷきゅぷきゅと廊下を歩いていた。



「・・・敦賀さんだ。」



遠目に敦賀さんが歩いているのが見えて、慌てて坊の頭をかぶりなおした。敦賀さんと、共演できるような仕事はなかなかなくて、BJの仕事が終わってからは全くそういう接点はなくなった。たまに、事務所ですれ違ったり同じ局で、仕事が重なった時に今日のようにすれ違う事もある。



「・・・綺麗な人。」



敦賀さんの腕に綺麗な女の人の腕が絡まって仲良く歩いていた。最近、彼を見かけるときはこういうシーンばかりだ。某グラビアアイドルだったり、某女優さんだったり、相手はいろいろだけど。今日の相手は、モデルさんみたい。たしか、人気女性ファッション誌の専属モデルだったっけ。敦賀さんが、さりげなく腕を外すと何か一言二言話して、その女性は先にすたすたと歩き始めた。敦賀さんは、苦笑しながらゆったりその後をついて行った。



「・・・ひどいひと。」



敦賀さんは、いつもそう。思わせぶりな態度をして、相手だけをその気にさせておいて、自分だけは冷静なまま。その気にさせられた方だけが傷つくのだ。

遠ざかる二人を見ているのがつらくて、来た道をそのまま引き返そうとした時だった。



「きゃあっ!?」



さっきのモデルさんの叫び声が聞こえて、私は思わず駆け出していた。

駆けつけてみると、階段があってその一番下にはモデルさんが倒れていた。その周りには、敦賀さんを含む数人の人たちが取り囲んでいる。私は、一段一段様子を見るために恐る恐る階段を降り始めた。



「大丈夫ですか?医務室に行きますからじっとしていてください。」



倒れているモデルさんにそう声をかけると、敦賀さんはいきなり彼女を抱き上げるとすたすたと医務室の方へ歩き始めた。そんな場合じゃないのに、胸が苦しくて俯いた。視界に映ったのは、彼女のバッグ。



「あの!バッグ!」



貴重品も入っているだろうし、拙いだろうと思ってとっさに声をかけた。社さんか、彼女のマネージャーさんにでも預けておけばいいだろうし。だけど、私の声に気づいたのは、少し驚いた顔をした敦賀さんだった。



「ああ…君か。悪いんだけど、それ持ってついてきてくれるかな?」



困ったように頼まれて、断ることもできずに私はそのまま彼の後についていくしかなかった。

彼女を医務室に連れて行きベッドに寝かせるとそのまま医師に預け、敦賀さんは廊下に出てきた。私はバッグを彼に手渡した。



「はい。これあの人のバッグだよね?敦賀君。大変だったね。」


「ああ、ありがとう。俺の方こそ頼んでしまって悪かったね。仕事は大丈夫?」


彼は、バッグを受け取って、そのままそばにいる彼女のマネージャーに手渡しながら聞いてきた。



「うん。収録はもう終わったから。・・・・じゃあ、僕はもう行くよ。」


「待って!仕事もう終わりなら少しいいかな?ちょっと、聞いてほしいことがあるんだ。」



そう言って、そのまま踵を返そうとしたら呼び止められた。断ることもできなくて、私は彼といつも彼と遭遇するあの場所へ移動した。