本日は仲良し姫様のはるかさんのお誕生日です。
おめでとうございますっ!ヾ(@^▽^@)ノ
お祝いをさせて頂くのは2度目になります。はるかさんとは昨年の春のガルアトでお会いして以来、度々開かれるオフ会で顔を合わせる仲(*^.^*)
今ではリア友と言ってもいいくらいかもっ///
姉の存在に憧れていた私にとってもはるかさんはお姉さま的存在。もう本当に優しくて心の広い穏やかな方です。はるかさんの書かれるお話も変わらず大好きです♡
あまり語ってしまうとご本人が照れてしまわれそうなのでこのあたりで止めておきますがwww
今年も私なりにお祝いしたくて創作を書かせて頂きました(*v.v)。
お気に召してもらえるかは分かりませんが受け取って下さいっ!!
はるかさんがお話で使われるプリちゃんのお名前「レイナ」ちゃんとアランで♡
~プロローグ~
午後はレオの座学の時間だった。しかし、急遽レオに用事が出来てしまいぽっかりと時間が空いてしまったレイナはその時間で何をしようかとぼんやりと部屋から外を眺めていた。
暖かい春の日差しと心地良い風。鳥の囀り・・・。風に乗って微かな沈丁花の香りが鼻を掠めていく。
レイナは窓辺で大きく息を吸って伸びをする。
(気持ちいいなあ・・・)
大きく息を吐き出しながら青い空を見上げ、ゆっくりと流れていく雲を見つめる。
(何しようかな・・・外も気持ちよさそう。あっ、そうだ・・・)
レイナは机の片隅に以前レオから借りただけで読んでいなかった本があった事を思い出し、その本を手にして部屋を後にした。
春の日に・・・
アランは闘技場で訓練を済ませて部屋に戻る途中、ふと中庭に目を向けると遠目にベンチに腰掛けるレイナの姿を見つけた。
(ん?確かこの時間はあいつの座学の時間のはず・・・)
レオの部屋にいるはずの時間になぜレイナが中庭にいるのかを不思議に思いながらも汗をかいた体を洗い流したくてアランは真っ直ぐ自室に戻った。
今日はレイナの誕生日。
アランはシャワーを浴び、濡れた髪を拭きながら引き出しにしまっておいたレイナへのプレゼントを手に取り、これを手にした時のレイナを自分なりに思い浮かべてみる。
(別におかしくはないよな・・・)
公務の合間に見つけた店で迷いに迷って決めたレイナへのプレゼント。何度も彼女を思い浮かべて選んだ。
今までの人生で他人の為に何かを買うなんて事は経験がない。何が欲しいのかは本人に聞くのが一番手っ取り早い。しかしレイナの事だ、きっと「何もいらない」と言うに決まっている。それにいかにもプレゼントを準備してます・・・と言ってるような気がして直接本人に聞く事に抵抗もあった。
アランは着替えを済ませ、それを胸元のポケットに忍ばせる。アーサーを連れて部屋を出て中庭を見渡すとレイナの姿はまだベンチにあった。本を手に周りを気にする素振りも見せずに読みふける姿はアランの中の悪戯な心の部分をくすぐる。
(相変わらず警戒心ねえな・・・)
アランはふっと笑うとしゃがみ込みアーサーの頭や首元を優しく撫でる。
「アーサー、レイナの所に行ってこい」
アーサーは分かったと言わんばかりに尻尾を振ってアランに応えると、アランにポンっと軽く脇腹を叩かれたのを合図にアーサーはレイナに向かって駆け出す。普通なら気付きそうなアーサーの気配にも全く気付く様子がないレイナ。アーサーは鼻をひくひくさせながら近づきワンピースからのぞくレイナの膝下辺りにアーサーが体を擦り付けるとそれに驚いたレイナは声を上げて持っていた本を手放して目を丸くしていた。
それを遠目に一部始終を見ていたアランはくすくす笑い、満足そうな笑みを浮かべながらレイナに歩み寄る。
「仕向けたのアランでしょ?」
「ご名答」
「もうっ!!」
座ったまま脹れっ面で睨みを利かせて見上げてくるレイナ。しかしそんな顔も俺にとっては反則でしかない。こいつのどんな表情も俺にとっては愛しくてたまらない。そんなレイナを横目に擦り寄って来たアーサーの頭を撫でながらアランもレイナの隣に腰を落とす。
「今は座学の時間じゃねえの?」
「レオに急用が入って時間が空いちゃったんだ」
「へえ・・・それでここで読書?」
「うん。何か気持ち良さそうだったから外で読もうかなって思って」
「相変わらず脱走癖は直らねえな」
「脱走じゃないでしょ?ちょっとした息抜きだもん」
「でもせめて誰かに付き添ってもらえ。いくら城内だからってお前は気を抜き過ぎ」
そう言ってアランはレイナの額を軽く小突いた。
「痛っ!」
レイナは眉間に皺を寄せて小突かれた額を擦る。
「痛いってば、アラン・・・」
「そんな強くはやってねえだろ。大げさ」
レイナは口を尖らせ拗ねるような顔で足元に落ちた本を拾い上げ、ページをパラパラめくって先程の続きを探す。それをアランは覗き込むように見つめる。
「それ面白いわけ?」
「うん。アランは本読まないの?」
「嫌いじゃねえけど・・・眠くなるしな」
そう言いながらアランは空を仰いだ。そよ風がアランの黒髪を撫でるように吹き抜けていく。
(すっかり春だな・・・)
柔らかい日差しに目を細め、気持ちよさそうにそよ風に髪をなびかせながら空を見上げているアランにレイナは微笑むと再び本に視線を落とした。
自分の誕生日だというのに俺が隣にいても何も言ってこないレイナ。
まさか自分の誕生日を忘れてるはずはないだろう。
なぜ何も言ってこない?
俺は試されてるのか?それとも何も期待されてないのか?
もしくは俺に気を遣ってあえて誕生日に触れないようにしている?
自分なりにいろいろ考えを巡らせてもレイナの考えまでは分かるはずがない。レイナに会ってその時の反応で胸元に忍ばせているモノを渡すつもりでいたのに、予期していなかったレイナの反応にアランは渡すタイミングを完全に見失っていた。
(どうするか・・・)
風に乗ってゆったり流れて行く雲を目で追いながらアランはレイナに渡す術に思考を巡らせていた。
同じベンチに座っているのに片方は読書、もう一方は空を眺めて手持無沙汰にしているこの状況・・・。
(何してんだ俺は・・・)
この状況をふと客観的に考えると自分に笑えてくる。そして気付いた。
考えるまでも無い。向こうから来ないなら自分から動けば良いだけだ。気取る必要なんてないじゃないか・・・。
アランは気を取り直し隣にいるレイナに向き直ろうとした時、右肩に重みを感じた。
(ん??)
見るとレイナが自分の方にもたれかかっている。アランはレイナの体を動かさないようそっとレイナの顔を覗き込むと、レイナは気持ちよさそうな顔で寝息を立てて眠っていた。
(バーカ・・・)
アランは頬にかかるレイナの髪を指で弾きふっと笑う。
風に吹かれレイナの膝にある本がカサカサと音を立てながらページをめくっていく。左腕はだらんと力なく膝から落ちていた。
(疲れてるんだから、こんな時くらい休めよ・・・)
アランはふっと鼻で笑い、力なく膝から落ちているレイナの手に自分の手を重ねようとして手を止める。その時足元にいたアーサーもムクっと起き上がり思案気にしているアランに不思議そうな眼差しを向ける。アランは口元に人差し指を立てアーサーに「静かに・・・」と合図を送ると、胸元に忍ばせておいたモノを取り出しレイナを起こさないよう様子を窺いながらそっとそれをレイナに身に付けた・・・。
中庭のベンチに二人と犬一匹。暖かく春の日差しの中でゆったり流れる時間。こんな穏やかで心安らぐ時間はいつぶりなのだろう・・・。そよ風に混じって隣から微かに香るのはレイナのシャンプーの香りなのだろうか。甘い、甘い香り・・・。
(こいつ、こんなに甘い匂いだったか?)
花の甘い香りに引き寄せられるミツバチの気持ちが今のアランには分かるような気がした。隣から香る甘い匂いに誘われるようにアランはレイナの髪に顔を寄せようとするとレイナが身じろぎをして、重みを感じていた右肩が急に軽くなる。
体を起こしたレイナははっとした顔でアランの方を向き恥ずかしいのか顔を赤らめる。
「ご、ごめん、アラン・・・。重かったよね」
「だいぶぐっすりだったな」
「うん・・・本当にごめん」
レイナは申し訳なさそうな顔で俯きながら頬にかかった髪を左手で耳にかけた時、何かに気付きピタリと動きを止めた。
(気付いたか?)
アランは足を組み片肘をベンチの背もたれにかけて頬杖をつき笑みを滲ませ、驚きに目を見張っているレイナの様子をじっと見つめる。
喜んでくれるか、気に入ってもらえるのか・・・。レイナの反応にアランの緊張が高まる。
(変な緊張感だな、これ・・・)
レイナは左手首にあった身に覚えのないブレスレットをそっと撫でながら呟いた。
「これ・・・」
俺の顔色を窺うように見つめてくるレイナ。その顔は嬉しさより驚きの方が勝っていた。とっさの思いつきでした事にこんなにレイナが驚くとは思わなかった。俗に言うサプライズ。サプライズなんて俺の柄でもないがこんなに驚いてもらえるのなら悪くない。
もう少しからかいたくもなったが、そろそろ締めるところは締めないと本気でレイナに怒られそうだ。
「今日誕生日だろ?お前の・・・」
「うん・・・」
「だから・・・それ・・・」
「うん・・・」
目に薄ら涙を浮かべて小さな子供のように頷くだけのレイナが愛おしく思えて思わず抱きしめたい衝動に駆られた。でもそんな気持ちを誤魔化して何とか平静を装う。
「バーカ・・・泣くなよ」
そう言ってレイナの頭をポンポンと優しく撫でる。
「ありがとう、アラン・・・」
レイナは涙目でニコリと笑い、ブレスレットに視線を落として手首を返してみたりして嬉しそうな顔で眺めている。
(良かった・・・)
悩んで選んだゴールドに小さなパールとガーネットが施されたブレスレットは華奢なレイナの手首に馴染んでいる。喜ぶレイナの顔を見る事もでき、内心不安だったアランは安心したように小さく息をついた。
「この赤い石、ガーネットだよね?」
「ああ」
そう呟くと、目を細めて嬉しそうにレイナは笑った。
「アランの誕生石・・・だね」
手首のブレスレットに視線を落とし愛おしそうにガーネットの石の部分を指で撫でるレイナの横顔をアランはじっと見つめる。
自分の誕生石を大切な人に身につけて欲しい・・・そんな気持ちで選んだブレスレット。それをこんなに嬉しい顔で受け取ってもらえるのなら店先で悩んだあの時の苦労も報われる気がした。
「レイナ?」
「ん?」
アランは顔を上げたレイナの頬に触れ指を滑らせ顎を上向かせる。驚きに目を見開くレイナにも構わず艶やかな唇に自分の唇を重ねた。レイナから僅かに香っていた甘い香りがこの距離になると酔うほどに濃く感じる。その香りに酔いしれてアランは夢中でレイナの唇を貪る。トン・・・とレイナに胸を押されそっと唇を離すと、息を荒げて潤ませた瞳で見つめてくるレイナと視線が絡んだ。
「アラン・・・苦しいよ・・・」
「悪い・・・」
こつんと額を合わせレイナのつぶらな瞳を見つめる。
今日しか言えない言葉を・・・
誰よりも一番に言いたい言葉・・・
そしてきちんと目を見て言いたい・・・
―好きだ、レイナ・・・― でも今日はこの言葉よりも・・・
「誕生日おめでとう、レイナ・・・」
そして再びアランはそっと唇を重ねる。
昼下がりの静かな中庭。陽気に誘われいつの間にかアーサーはアランの足元で眠っている。春の柔らかな日差しに照らされてアランの背中に回されたレイナの腕のブレスレットがキラキラと光放っていた。
~END~
このお話を書くにあたり、はるかさんに対して怪しい行動をしていた私wwwww
ご理解頂けたでしょうかw??何事かと思わせてしまいましたよね。すみませーん・・・。
読書されてる時のはるかさんを想像してそこからお話を展開してみました。
この流れ的に頭ポンポンが限界でした・・・。本当はぎゅっとされる展開に持っていきたかったのですがね(;^_^A
それとお話に出てきたアランからのブレスレット♪
実は・・・ちゃっかり自作で作らせて頂きました( ´艸`)
ですが人様に渡る物を勝手に載せるわけにはいかないのでここでは控えさせて頂きます。
お会い出来た時に現物お渡ししますね~はるかさん(*^ー^)ノ
気に入って頂けるか心配ではありますが・・・。
素敵な誕生日をお過ごし下さい!!
Happy Birthday!!
お読み頂きありがとうございました(*^▽^*)