今週末、10月26日(土)および27日(日)に横浜にて「第3回武術太極拳ワールドカップ(The 3rd World Taolu Cuo)」が開催されます。
このワールドカップ、実際には套路(型演武)の大会=Taolu World Cupと散打(対抗性競技)の大会=Sanda World Cupの2種類の大会がありますが、日本は套路競技に代表選手を派遣はしても、散打への代表派遣は基本的に消極的なので、本来であれば「套路ワールドカップ」と訳すべきところを「武術太極拳ワールドカップ」という翻訳にしているのではないか?と推測しております。。
エントリーできる資格があるのは、
・前年2023年の第16回世界武術選手権大会に出場し上位8位以内の選手
・今年2024年に中国で開催された国際招待トーナメントのトップ選手
ということになっております。
※「3rd Taolu World Cup」規則(英文版)
https://xhimg.iwuf.org/xhimg/soft/240603/16-240603095354.pdf
参加資格の2項目め:「今年2024年に中国で開催された国際招待トーナメントのトップ選手」については、昨年の第16回世界武術選手権大会の開催地がアメリカ合衆国であり、同国の政治的理由により出場参加をはばまれた国が複数あったためではないかと個人的に邪推している次第。
同招待トーナメントは、それら出場参加をはばまれた国々への支援策として中国が国内で開催し、米国に入国させてもらえなかった選手たちを受け入れて挙行されたもの。
今夏にパリで開催されたオリンピックでのメダルラリーテーブルでの欧米の悪あがき(ドーピングしまくりの米国が黙認され、メダルランキングは国別ではなく「EU」で表示される不逞ぶり)やフィギュアスケートの国際大会等で過去に散見してきた事例(アジア人がメダルラッシュになるとルール変更になるように見える)から推測できる通り、「アジア人が欧米人より上位に立つなど許せない」という意識が働いている気がするんですよね。
なぜなら、この武術太極拳(国際的には「Wushu」の名称で普及)競技はアジア選手をはじめとする非白人国が表彰台にあがり入賞することがまったく珍しくない競技で、大会によっては「米国がもっとも毛嫌いしている国々が表彰台を席巻してしまう」ことも時々あります。
1990年前後から五輪種目化を目標に世界での普及活動がより一層進むようになってから20年以上も競技化がかなわなかったのは、この「有色人種が主導する国が表彰台を独占する」ことがIOC(国際オリンピック委員会)にとってはおもしろくない現象だったからなのではなかろうか.....
...という可能性を、2012〜2017年のあいだのインド生活での「特定地域からの出場選手を極度に信じられないほど異常に不当に扱う」スポーツ競技大会のありようをまざまざと見せつけられた経験を通して気づくに至った次第。
あくまで個人的な憶測の範囲を出ませんが、かなり確度の高い推測ではあるんじゃないかと考えております。
ちなみに私がはたから見てる限りにおいては、中国はこの競技の普及にあたって必要な情報や技術的バックアップは相手国の求めに応じてきちんとしている印象で、請われれば各国のナショナルチームコーチとしての人材も長期的に派遣し、派遣されたコーチのかたがたはその国の競技力を向上させるために真剣に尽力している様子が見て取れます。
ナショナルチームに専属の中国人コーチが入ったり、中国で審判やコーチの能力向上のためのセミナーを他国のコーチや選手たちのために毎年開催し続けることで、それまでメダルを取れなかった国が技術水準を著しく向上させて表彰台に食い込んできた事例をいくつか実感しております。
(近年だとブルネイやエジプト、インドもめざましく競技力を高めてきている国々です)
さて、そんな3rd Taolu World Cupの日本国内向けPR図案。
ちゃんと「世界大会らしい参加国のバリエーションに配慮された」意匠だと思います。
地球上の東西南北、それらが揃って「世界」なのですから。
この競技の「欧米偏重ではない、有色人種だからといって差別されない」特色がきちんと表現されているように思いますし、この意匠に込められた意識には素直に拍手を送りたいです。
すでに日本入りしているチームも複数出てきており、大会はいよいよ明後日開幕。
すべての参加選手が、当日の怪我や病気に泣くことなくそれぞれの実力を発揮できることを願ってやみません。
参加選手全員のご健闘を謹んで表します。
加油!!!