幼き頃に背負った、深く暗い心の闇。
それは、片時もやむことがなく、片時も忘れることができぬ闇。
悲しみと、絶望と、弱さを憎む感情を、心に深く植え付けた幼き日の悪夢。
「仲間がオレに、戦う心と強さをくれた」
その言葉を残して、この日の放送で壮絶に散った理央。
そう、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』第48話「修行その48 サバサバ!いざ拳断」で、悪しき暗闇の道からゲキレッド=漢堂ジャンによって正しき道へと導かれた臨獣拳アクガタの理央とメレが、共にその出番に幕を下ろしました。
シリーズ開始当初から、「主役よりも主役らしい」といわれ続けた存在感は、最後まで私たち視聴者の涙を搾り出しました。
特に、一度は死んだ身でありながら、理央の手によって蘇ったリンシー(元ネタはキョンシーです、ハイ)・臨獣カメレオン拳使いメレの生き様は、まさに彼女の名乗り、
「理央様の愛のために生き、理央様の愛のために戦うラブウォリアー」
それそのものでした。
リンシーとしてこの世に蘇ったその瞬間から、理央の腕の中で砂となって散るまでのすべての時間、一分一秒までをすべて「理央様の愛のために」捧げて壮絶に散ったメレ。
「あんたには感謝してるわ。理央様とあたしに、“道”を示してくれた」
とジャンに言い残し、理央の腕の中で散ってゆくメレ。
「少しだけ待っていろ。俺もすぐに行く」
とメレに約束し、ラスボス・無限龍ロンの体内に突っ込んでいき自爆した理央。
理央が自爆したその直後。
片時もやむことのなかった、理央の心の中の「深く暗い闇の雨」がやみ、やっと光が射すのです。
理央の目の前にいるのは、メレ。
彼女は愛に満ちた表情でその手を理央にさしのべ、彼女の手をとる理央。
悲鳴からも絶望からも苦悩からも解き放たれた2人は、手をたずさえて光の森の中へと去っていくのです。
こういう形でしか、2人が結ばれる一番良い形にはきっとならなかったのでしょう。
でも、観ている側は涙が止まりませんでした。
2人がこの世から消えたことには変わりがないから。
ただ、せめてもの救いは、理央の心の闇も、メレ自身も、
「愛によって救われた」
ことではないかと。
そんな気がしてなりません。(大泣き)
前ブログでの最終更新日 2008年03月26日 15時18分45秒
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