あらすじは、テレビ朝日公式サイト『仮面ライダー電王』にてどうぞ☆
第1話 「俺、参上!」 分


冒頭、主人公・野上良太郎(演:佐藤健)の「弱弱クンぶり」が、不良グループにボコボコにされるシーンで描かれています。
説明的なセリフや仰々しい場面描写なしに良太郎というキャラクターの特徴がすぐにわかるなぁ、というのがそのシーンの印象でした。
「とにかく運が悪くて、腕っぷしもとっても弱くて、でもひねくれず捻じ曲がらず.......」
が、粛々と動く良太郎の行動で理解できます。
ト書きのようなセリフやナレーションに頼らずに主人公の特徴を、シリーズ最初のエピソードの冒頭の場面で描き出せているのは、やはり書き手の小林靖子さんの技量の高さだなぁと、始まって早々にちょっとばかり悦に入ってしまいました。

そんな「運の悪さでは天下一品」な良太郎が、道端に落ちていたパスを偶然に拾ったところから、『仮面ライダー電王』の物語=「時と異世界を交錯し、2007年の“現在(いま)”を守る物語」は始まります。

良太郎が偶然拾ったパスは、後でわかるのですが実は時空を越えて運行する電車=デンライナーの乗車パス。

パスを手にし、あるビルに入った良太郎の目の前に突然出現したのは、見慣れない渓谷と走ってくる電車。
驚いて呆然とそれを見つめるだけの良太郎。
そりゃいきなり見たこともない景色と見慣れないデザインの電車を見たら、驚いて呆然とする以外に無いわな~(笑)。

こんな場面に始まり、良太郎の身にはそれまで起きてこなかったような現実離れしたことが次々と起こっていきます。

それは良太郎だけではなく、良太郎をボコボコにした不良グループの一人・テツオにも忍び寄りました。

良太郎をボコボコにした際に、大事なキーホルダーを落としたテツオは、キーホルダーを拾ったのが良太郎らしいと突き止め彼を探そうとした矢先に、エネルギー体にとり憑かれてしまうのです。

「なるほど、それが今作品の敵か」
ってわけです。
相手の望みを叶えてやるかわりに、代償を要求。
ヘタな秘密結社や「悪のなんちゃら組織」よりもずっと、人間の心の暗部をターゲットにした設定だな、と。
第一印象ではそんな風に感じました。

しかし、とり憑かれたのはテツオだけでなく、良太郎も同様。

ネタバレになりますが、要はこの「とり憑いたもの=イマジン」が実際には電王として戦うために、弱い弱い良太郎が「主人公」でも物語自体は成立するわけです。

しかし、イマジンに心を乗っ取られたテツオと良太郎が違っていたのは、「本物の良太郎の意思が、イマジンの暴走を食い止めることができる」点。
劇中では良太郎は「特別な存在=特異点」と称されますが、この「良太郎の意思の強さ」というのが、おそらく電王ワールドでは大切な要素なのではなかろうか?と、ほとんど何の前情報も何も仕込まない状況下で素直に第1話を観た時点での感想でした。

人の世において、悪いこと・ずるいこと・エゴイズムというのは蜜の味を持って人をその闇へといざないます。
その闇に呑み込まれずに自分を律することが、ある意味「本当の心の強さ」でありそれこそが「真の純粋さ」であると思うのですが、良太郎は確かに運も悪いし腕力も弱い、でも「流されない心の強さ」だけはとてもとても強く、それが戦士=電王になる資格を満たす........そういう展開に思えました。

「流されない心の強さ」がなければ、敵=イマジンと戦うことすらかなわないからでしょう。

腕力や戦力は備えていても、時に迷いに溺れてしまい心の強さが揺らぐのが往々にして正義側のパターンですから、あえてその逆を行くこういう造りなのも良いかしら(^^)と感じました。

ま、とりあえずアクションシーンは「俺、参上!」な“良太郎にとり憑いたイマジン”にまかせて、「時と異世界ものを書かせるならこの人!」の小林靖子ワールドがどう展開していくのか興味津々です。

だって。

前仕込みのネタも何も特になく、普通に観て
「面白かった~~~!\(^▽^)/」
んですもの☆

「次も観たいぞ」としっかり思わせれば、第1話としては合格点!ですだ☆☆☆




前ブログでの最終更新日 2007年03月31日 00時28分30秒
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