脚本にのせられて、“熱く語るセリフ”に感情移入してしまい、ついつい目をうるませながら観てしまう今クールの月9ですが。

この回は、切なくて、そして心が人一倍痛かった回でした。
第2話「温泉の国」でも「人を強く想う気持ち」が描かれていましたが、この回はそれが更に切なく、更に悲しく描かれていたように感じます。

人を強く想うことはすばらしいけれど。

同時に、悲劇を起こすこともある。

人を強く想うことは自分を強くすることもあるけれど。

同時に、みずからの身を滅ぼすこともある。


思えば、この回のゲストキャラ・秀周(成宮寛貴)はそれを表現するために設定されたようなものでしょうか。
冥蘭(釈由美子)に想いを寄せ、その願いをかなえるために悟空たちを利用しようとした秀周。
好きな人の願いをかなえるためなら手段をいとわない、強い想い。

セカチューこと、『世界の中心で愛を叫ぶ』のような、「まっすぐすぎて、強すぎるゆえに、悲劇を起してしまう愛情」。
ここまでのエピソードの中で、いちばん悲しく感じた回でした。

セカチューも、この回もそうですが、
「愛の純度が高いほど、逆に周囲を苦しめ、悲劇を起こす」
のですね。
「100%の純愛」は、憧れる人も少なくないのかもしれませんが、「100%」の純度は逆に危険なのですね。
日常生活の中で、悲劇を起こさずに幸せに生きていくためには、「100%の純愛」ではなくて、「たくさんの愛情」とほんの少しの「経済的要素」であったり「現実感」であったり、そういったものをうまく兼ね合わせて持つことが必要なのだな、ということを改めて実感させられたような気がします。



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