ストーリーの出来がどうこう、というよりも、猪八戒(演:伊藤淳史)に感情移入して涙腺がゆるんでしまった回でした。

作品自体の出来としては、原作やら何やらの『西遊記』を忘れて、『ドラゴンボール』を楽しむような気持ちで観ないといけないような気分になってくるのですけどね。
原作や今までに映像化された作品との相関性に加えて、子供の頃に堺正章版『西遊記』を観ていた頃には気が付かなかったポイントが、今回は要所要所で引っかかるのです。

たとえば。

『西遊記』ってそもそもが中国のおハナシ。

ということは、登場する人間にしても妖怪にしても、立ち居振る舞いは中国風が自然なはず。
でも、それを日本で製作すると、どうしても日本人の動きになってしまうのですよね。
この回でその点に改めて気が付いてしまったわけです。

この回では、ミッチー(及川光博)の他に酒井若菜らがゲスト出演してますが、そのゲスト出演した女性陣、揃いも揃って頭を深々と下げるのですね。
日本人が見ると何てことない動作なのですが、それを目にしてハタと、
「あれ? 中国人の仕草ちゃうよな~コレ。うーん、これが香港とかいろんなところで放送されてるってどうなんだろう」
と感じたのであります。
同時に脳裏に浮かんだのは、香港武術隊メンバーのうちの1人。
その友人は、私が日本人なので、あえて日本式に深々と頭を下げたりしてくれるんですね、ときどき。

そう。

違和感を感じてしまうのですよ。中国とか香港とかの人が頭を深々と下げるのって。
おなじ違和感を、この回の女性ゲストの仕草に見出してしまったのです。

今回のこの月9の『西遊記』、海外ロケをやったり、海外数カ国で同時放送されたりを謳い文句にしているようですがむしろ、肝心のストーリーとアクションと、そして文化面に配慮した演出に対してもっと気を使うべきだったのではないでしょうか?
生意気にも、ひとり勝手に、そんなことを思ってしまったり。


んで。

こりゃーもう原作『西遊記』をある程度脳裏から追い出して観てしまえ~~~ってな気分になってしまいました。
八戒の恋物語にウルウルしてれば良いんですこの回は、って状態ですね。
相も変わらず「まっすぐに人を強く想う」というおハナシに弱い私なのであります。

ミッチーはやはり「王子!」色満載でしたので、それはそれで面白かった、ということでしめくくりたいと思います。

さて次回の展開や如何に。