血を流して地面に倒れていたお前を見て、
狂ったように病院まで走りながら…
俺はただ1つのことしか頭になかった。
ただ、お前が無事でいることを。
大丈夫だということを…
オハニはなかなかへこたれないやつだから大丈夫だと
自分の心に言い聞かせていないと、落ち着かなかった。
迷惑の塊 オハニ!
ついに大きな事故を起こしたな…
泣いているお前の姿を見て、初めて分かった。
他人のために涙を流すことも出来るのだということを…
声を押し殺して泣いているお前を見て、俺は分かったんだ。
人の痛みが、自分の痛みにもなることを。
そして、もしかしたら、
その痛みを半分に分け合うこともできるということも…
小さいときに読んだ童話に出てくるマッチ売りの少女のように、
部屋の中に入りたくても、ただ見つめるだけだったけど
中から誘ってくれる温かい空気に少し元気をもらい、
そして窓を開けてみた… そんな気分だ。
その温かい窓の中でも、俺のことをもっと元気づけてくれるような…
もちろん、お前を入院させてからでも面接に行く時間は十分にあったけど
もし家族が着く前に、お前の目が覚めたら…
見慣れない部屋で1人だけだと分かったら…
そうじゃなくても元々怖がりなお前のことだから、少し心配になった。
お前が1人でいると、辛いかと思って…
くだらない考えは相変わらずだ。
ここ何日か、申し訳ないからって何も食べずに俺のことを避けて、
ついに家出までしようと荷物をまとめて出てきたと…
門の外で待っていて良かった。
バカなオハニ…
正直に言うと、最初から俺にとっては
テサン大学とか一流大学なんて、意味がなかった。
知りたいことは大学へ通わなくたっていくらでも教わることができるし、
大人たちが俺を"天才"と呼んで、過剰に期待していることも息苦しかった。
それに、社会制度というレールの上に無理やり乗せられるのも嫌だった。
確かに、教わりたいこと、したいこともなかったせいでもあるけど。
でも、今からは… 楽しく生きてみたいんだ。
人を幸せにすることは、俺の冷淡な性格上、まだ自信はないけど。
オハニの楽しい気持ちが広がって…
俺もこの子供のように無邪気なやつに染まり、
こいつの人生に頭が頷いてしまった…
写真を撮ろうと駆け寄ってくる女子を、皆はねのけたら…
とうとうオハニに捕まった。
写真を撮られるときは、いつもぎこちなくなる。
幼い頃から数万回も母さんにモデルを頼まれてきたけど、
あのときを境に、世間に対して心を閉ざしてからは
無理やり笑顔を作りたくなかった。
おかげで、母さんが撮る写真の中の俺は
いつも硬い表情のままだった。
だけど、今日は少し違う。
オハニにいつもつっかかるホンジャンミの前で
恥ずかしい思いをさせたくなかったし、
この1年で俺の氷のコートを1枚剥がしてくれた、
こいつに対するプレゼントでもある。
"ありがとう…"
写真1枚一緒に撮ることだけでも喜ぶこいつ。
だけど… お前は俺の餌食だ。
そのまま引き下がることはできないよな?

"お客様、8800ウォン持って行ってください"
コンビニでのことを思い出させたら、ビックリ仰天するこいつの表情が
見ものだった。
その言葉に隠された別の意味は…
お前が分からなくても構わない。
オハニ… お疲れさま。
オハニ… プレゼントをありがとうな。
写真の中の俺は、久しぶりに…
心から明るく笑っていた。
ボンジュング…
お前は疲れを知らないのか相変わらずオハニにしつこく迫っているな。
変な服を着た奴らといっしょに踊って歌っているけど
歌詞が全部… オハニに対する愛の告白だ。
本当に、気に食わない。
あんなふうにストレートに感情をぶつけている姿。
歌いながらオハニの手を握るあいつを見ると、
なぜか冷や汗が出てくる。
気に入ってたおもちゃを奪われた子供のように
胸の中で、何か熱いものが燃え始めた。
オハニ なんで何も言わずにあいつを見てるんだよ。
俺のことを朝も夜も好きだとか言っておきながら
あんないい加減なやつに手を握らせて…
恥ずかしがってソワソワしている その表情…
わけのわからない感情のせいで、水さえも喉にくっつきそうだ。
口の中が、たくさんの針が刺さったかのようにチクチクする。
"もうスンジョくんのことなんて忘れるから!"
"ペクスンジョ… あんたの性格はイヤって言うほどよく分かったから忘れるの!"
"卒業と一緒にあたしの恋も終わりよ!"
唇を噛みしめて、今にも泣き出しそうな目で
叫ぶように言ったお前の言葉をきいた瞬間。
体が固まったかのように、動けなかった。
さっき先生や皆の前で俺がぶつけた冷たい言葉はぜんぶ忘れて。
俺が傷つけたひどい言葉は、ぜんぶ消して。
まるでお前に勢いよく殴られたかのように、
こどもの頃の写真で俺を怒らせたことより…
この瞬間に もっと、もっと、もっと
腹が立つ。
前とはちがって、このまま本当に終わらせようとしているかのように
こいつの表情は硬かった。
冷たい冷気がゾクッと背筋を通りすぎた。
"忘れられるなら、忘れてみろよ"
これが自分の本心なのか?
思わずキスをしてしまった。
《お前はどこにも行けない。絶対に…》
こいつの心の中に鍵をかけてしまうかのように…
《お前は、俺だけのそばにいればいいんだ。
楽しくて刺激的な毎日を保証するって、約束したんじゃないのか?》
まるで俺が一方的に約束させたかのように…
オハニの唇が熱い。
いや… もしかしたら。
俺の唇のほうだったのか?
イタズラをするように、瞬間的にキスをしてしまったけど…
悪かったな。
もしかしたら、オハニにとっては初めてのキスだったのかもしれないのに
あんなふうにむやみにしてしまって…
顔をあげたとき、お前があまりにも驚いた顔をしていたから
俺も焦った。
どんな言葉をかければいいのか分からなくなったんだ。
だから、あんなことしか言えなかったのかもしれない。
"ざまあみろ。べ~"
本当、情けないな。ペクスンジョ…
自分の気持ちを、どうしたらいいのか分からなかった。
こんなふうに、俺を頻繁に惑わせるオハニのことも…
そんなやるせない気持ちとは裏腹に
朝、浴室の前でバッタリ会ったとき
"マヌケ"
と言ってしまった。
相変わらず 本心ではない冷たい一言が出てしまうのは、
素直になれない、俺の中のもう1人の男のせいだ。
オハニ! またお前か?
"忘れるから!"と大声で叫んでいたくせに。
キスの効果があったようだな。
オハニの、ペクスンジョを追い回すストーカーがまた始まった。
単純なやつだな…
子供のようなあいつの人生が、完全にあいつ自身のことならいいけど。
情けないオハニ…
まったく、いつまでそうしてるんだか…
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」って
というかんじ( ´(ェ)`)
とってしまったので、

















