2月11日は発明王トーマス・A・エジソンの誕生日だった | レオナルド・ダ・ヴィンチのノート

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万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの活躍を紹介していきます。

2月11日はトーマス・A・エジソンの誕生日、そして没後80周年ということでグーグルのトップページのロゴがエジソン・バージョンになっているのに気がついた人も多いと思う。

エジソンは、1847年に生まれて84歳でこの世を去るまでに1913もの特許を獲得した「発明王」として広く知られている。ライフが選定した、「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」のトップにもエジソンの名があがっている。ちなみにレオナルド・ダ・ヴィンチは5位だ。

トーマス・エジソン (アメリカ)
クリストファー・コロンブス (イタリア)
マルティン・ルター (ドイツ)
ガリレオ・ガリレイ (イタリア)
レオナルド・ダ・ヴィンチ (イタリア)
アイザック・ニュートン (イギリス)
フェルディナンド・マゼラン (ポルトガル)
ルイ・パスツール (フランス)
チャールズ・ダーウィン (イギリス)
トーマス・ジェファーソン (アメリカ)

エジソンの発明として有名なものは電灯や蓄音機、電報、電話、タイプライター、マイクロホン、映画撮影用カメラとフィルム、蓄電池、電気鉄道、ゴム、採掘機械、セメント、X線機械、謄写版(ガリ版印刷機)、伝送システム(ソケット、スイッチ、ヒューズ、メーター等)がある。

この他にも潜水艦探知機と魚雷発見用ソナー、煙幕弾、魚雷の強度向上技術、潜水艦の望遠鏡発見装置などの軍事系や、飛行機についての研究も行っており、時代こそ違うがレオナルドを彷彿とさせるものがある。


$レオナルド・ダ・ヴィンチのノート-エジソンの電球
最も有名なエジソンの電球
フィラメントに日本の竹を使用して実用化に成功した。

エジソンの研究テーマはレオナルドに負けずに多岐にわたっており、その発想もとどまるところを知らない。今日のカラー写真、太陽電池、コピー機やファクシミリ、宇宙船、睡眠増進機や「音に色をつける第七感」、更には過去や未来を行き来する霊的存在とのコミュニケーションを可能にする装置の研究も行っていた。

これらはエジソンが書き残した5百万枚もの実験メモ「エジソン・ペーパー」に書かれている。
1978年にニュージャージー州ウェスト・オレンジの国立歴史記念館とラトガース大学を中心に発足した「エジソン文献研究プロジェクト」によって進められ、残された2万5千枚のレコード、1万個の円筒形シリンダー、写真6万5千枚も保存されている。

このプロジェクトチームのメンバーによれば「エジソンはレオナルド・ダ・ヴィンチに匹敵するような、超人的で独創性溢れる研究を行っていたことが良く分かる」とのことだ。

エジソンの頭の中には無数のアイディアが常に飛び交っていて、一種の連想ゲームのように、これはという発明のヒントが生まれるとノートに書き足していく。電灯の発明に取り組んでいる最中の日記にも、ヘリコプターの構造が浮かぶ。その次には「地獄の黄色いオアシス」といった走り書きが残されてる。その下には「生まれながらの人格イコール骨相学」、「脳の中に入って観察できる顕微鏡」などの記述が続くと言う具合である。

ライト兄弟が初めて飛行に成功する30年前、1871年1月1日のメモには飛行機の設計についての独特の構想があったりする。


$レオナルド・ダ・ヴィンチのノート-エジソンのノート
エジソンのメモ書き


1931年6月、世界大恐慌の最中で巷には失業者が溢れ、人々の気持ちには不安が立ち込めていた。この時84歳のエジソンは自ら改良したラジオを通じて、人々に自信を取り戻して目前の困難を乗り切ろうと呼びかけた。
そして「人間、自然界すべての現象は、我々の思いもよらぬ遥かに大きな未知の知性によって運命づけられている気がしてなりません。身の回りの生物や物質の構造を研究すればするほど、これらは予め計算されて作られているとしか思えなくなりました。私自身も、これらのより大きな力によって動かされて、数多くの発明を成し遂げることが出来たに過ぎないのです。」と語った。


$レオナルド・ダ・ヴィンチのノート-エジソンとフォード
晩年のエジソン(中央)、
友人ヘンリー・フォード(左)と
ハーベイ・ファイヤーストーン(右)


参考文献:快人エジソン―奇才は21世紀に甦る:浜田和幸著