「レオナルド・ダ・ヴィンチは、フランチェスコ・デル・ジョコンドのために彼の妻(リザ夫人=モナ・リザ)の肖像の制作を引き受けた。彼は4年の間制作を続け、結局未完成のまま残した。」
ヴァザーリは、おそらく1503年から1507年にかけてフィレンツェで描かれた世界一有名な肖像画についてこう解説している。
この解説の中でヴァザーリはモナ・リザの眉毛について「あるところは密に、あるところはまばらに、完璧な自然さで描かれている」と述べているが、実際ルーヴル美術館にあるモナ・リザには眉毛は見当たらない。理由はヴァザーリが実際にはこの絵を見ないまま人から聞いた話をもとに解説を書いたとか、モナ・リザとは別の絵画の存在を示唆してるとかの憶測を生んできたが、フランスのルミエール・テクノロジー社のマルチスペクトルカメラによって、モナ・リザに眉毛があったことが確認された。
またこの先端技術によって厚く塗られたニスを光学的に除去し、青い空と山をバックに微笑む健康的な薔薇色の頬をしたリザ夫人が、当時の色彩で蘇っている。
眉毛についてはこちら>パリノルール
モナ・リザはかつては依頼主の名前から、ずばりジョコンダ(ジョコンドの女性形)と呼ばれていたが、ジョコンダとは「陽気な」という意味であり、「陽気な女性」「冗談好きのご夫人」というこの絵画のテーマを象徴している。
↓ルミエール・テクノロジー社の映像