久し振りに泣きました・・・

運命に逆らわず、ただひたすらに家族に尽くし、自分のしたいこと(絵を描く)も精一杯して平和に暮らしていた愛すべき少女、すず。

アニメだけど当時の人々の生活と存在までも本当にリアルに感じられて、戦争でこんな一人一人のかけがえのない命や生活が無残に奪い去られたかと思うと、胸がいっぱいになって・・・

ことに原爆投下は何十万人もの人が一瞬で死に絶え、あるいは死の楔を打ち込まれた残虐なことなのだと、何度も聞いて知ってはいたつもりだったけれど、正直実感はありませんでした。

広島や長崎は遠いし行ったことが無かったこともあるけれど、どこか遠い国の他人事程度にしか感じていなかったのだと気付かされました。同じ国で起こったことなのに!

時も場所も超えて疑似体験できて、この映画に出会えて本当に良かったと思いました。

すずは原爆を直接は体験していないけれど、その方が想像力が働いて良かったですね。

 

すずが外で絵を描いていたら、憲兵にスパイ容疑をかけられ怒られるというエピソードがありました。

そんなこととは程遠い人物だったから笑い話になっていたけれど、逆らったら大変なことになる、ひたすらお上の言うことをきいてなくちゃいけない雰囲気にゾッとしました。

今でももう既にそうなってきているのではないかと。

そう言うと、そんなことばかり言っているからそうなるんだと、戦争戦争言ってるから戦争になるんだ、なんて言う若い子がいました。

いわば言霊信仰ですね。それはわかる気もするけれど、果たしてそうでしょうか。

 

当時の庶民が戦争したくてたまらなかった戦争になったのか?

むしろ、政治のことなど考えもしない、ただ素直に黙々と上の言うことに従っていた結果があの悲惨な出来事ではなかったのか?

戦争したがる輩は確かにいる。決して戦地には行かず、高見の見物していられる人達が。

行かされる方が止めなくて誰が止めてくれるでしょうか。

今の日本の状況と行先は明らか歴史が証明しているのに、私たちはまたむざむざその轍を踏むのでしょうか。

 

すずはぼうっとしてあまりものを考えない性格だったけれど、戦争を体験して最後に「ずっとぼうっとしていたかった・・・」とつぶやきました。

平和ならそれでも良かった、ではなくて、ぼうっとしていたら平和は守れない。

全力で守らないと吹き飛んでしまう儚いものだから。