映画鑑賞「阪急電車 片道15分の奇跡 」 | David room

映画鑑賞「阪急電車 片道15分の奇跡 」

David room-阪急電車

映画「阪急電車 片道15分の奇跡」を見てきました~。

この映画は、阪急電車に乗る人たちのちょっとした心の触れあいを描いた作品。
私も経験がありますが、毎日同じ通勤電車に乗って通っている大勢の人々は、話をすることもないし、自分には何の影響もない、自分には関わりのない人です。
でも大勢の人たちひとりひとりの人生がそこにはあります。

中谷美紀さん演じる高瀬 翔子が、はじめに話すナレーションが印象に残ります。

「名前も知らない人たちは、私の人生になんの影響ももたらさないし、
 私の人生も誰にも何の影響もあたえない…
 世界なんてそうやって成り立っているんだ…
 そう思っていた…
 でも…」

この阪急電車に乗る登場人物たちは、阪急電車に乗る以外は、名前も知らない赤の他人。
でも、阪急電車の中で起こる出来事が自分の人生にも影響していくんですね。

「みんなやりきれない思いをかかえて生きている」

翔子が冒頭で言ったセリフです。

やはり人が生きていくうえで、すべてが上手くいくことなんてなくて、なにかやりきれない思いを抱えて生きています。ここに出てくる登場人物もやりきれない思いを抱えた人たちなのですが、阪急電車の中でのふとした出来事がきっかけで変わっていきます。

今の時代、無縁社会と言われて、個人主義が進んでいて人々の触れあいが少ない気がします。
でもやはり人は人と触れあい、影響し合い、生きているんだっていう原点にもどれるような映画でした。


印象に残ったのは、宮本信子さん演じるおばあさんが、今人気の芦田愛菜ちゃん演じる孫との心温まる会話や、このおばあさんが電車で出会う人々への凛とした思いやりのある言葉をかけたり、時に気持ちの良いくらいハッキリと注意したりする姿に、なにか清々しく、またそんなキチンとしたおばあさんのことを憧れるような思いを抱きました。

最後に戸田恵梨香演じる森岡 ミサが翔子に言ったセルフがこの阪急電車の中での出来事を表している気がします。

「人生の機微を…」

機微とは、{表面からは知りにくい微妙な心の動きや物事の趣。}とあります。
阪急電車での出来事が、ほんの少し心に動きをあたえて、よりよい自分になっていく…

私の人生も、人と、社会との関わりの中で、
「人生の機微」を感じていきたいと思いました。