お店に着いて、暖簾潜って、ピーク外してても半分以上は席が埋まってて、こりゃ期待できる。
サバ丼定食頼んで数刻、やってきましたよ。
どどーん! 主役のサバが薬味で隠れてるのは奥ゆかしさだから。奥ゆかしさというか粋だから。
うん、お腹すいて意味不明なこと言ってる。
一口。
……生サバ?!
否! 生ではない! これは漬けだ! 濃口醤油のタレで寝かせることで、サバの旨みが熟成され、トロと錯覚するレベルの脂と絶妙に合う──
まあ、このくだりはメニューに書いてあったんですけど、そんなの腹減ってて読んじゃいないしね。
なんでも
「港から直送の新鮮な魚をすぐにタレつけ加工してから-60度で一旦凍結しています。この温度では寄生虫が死滅し雑菌も繁殖しません」
って、HPに書いてある。
−60℃って凄くない? 水瓶座の黄金聖闘士なの? いやあれは絶対零度だからって、そんな駄話はどうでもいいんだけれども、とにかく、アニサキスを死滅させるのみならず、冷凍することによって、細胞にタレが染みこみやすくなっているのも、美味しさの一因ではないか──
と脳味噌をフル回転してたら、お口もフル回転してて、あっという間に平らげてた。
そんなタイミングで、隣に新規さんが着席。なにやら、赤まんぼうに心引かれている様子。
分かる、分かるよ。僕もそれは思ったからね。なんなら頼もうと迷ったからね。
でも、この店、サバ推しじゃない? 極上とか頭に付いてるじゃない?
そりゃあ空気を読むよね。
注文聞きにきたおばちゃんが、赤まんぼうとはなんぞやって説明し始めた。
曰く
・マグロ漁の網に掛かるレア魚。
・地元では「マンダイ」と呼ばれる癖のある魚。
・見た目がマンボウっぽいけど、マンボウ関係無い。
(マトウダイに似ていなくもない。リュウグウノツカイの近縁)
・カジキのような食感で脂のノリが半端ない。
クワッと眼を見開いて、赤まんぼう頼んだお隣さんに乗っかって、追加注文してました。
赤まんぼう丼、単品……単品?!
って聞き返された。肯定である。
一端厨房に戻ったおばちゃんから、
「普通盛りでいいの?(食べきれるの的な意味で)」
「──普通盛りで(流石に自重的な意味で)」
若干すれ違った空気が流れたけれども、そもそも大盛りがあるなら、最初のサバ丼の時に言って欲しかったよね。
やってきた赤まんぼう丼を口にして思いました。
おばちゃんの言った通りだわ。
確かにカジキ、もっと身近で言えば、ビントロに近い食感。脂のノリも適切。
適切っていうのは、漬けに合うように適切に部位がチョイスされていて、やはり地元、目が利く店ですね。
サバの衝撃には及ばないものの、これは銚子でしか食べられない逸品と断言できます。
いやはや、門前にこんな良店があったとは。
坂東の札所を巡った時には気が付かなかったですね。
坂東三十三ヵ所観音霊場、圓福寺門前の丼屋七兵衛、オススメです。

