みなさん、神社へお参りする時、どのようにしていますか?

 

鳥居で一礼、手水で清めて、拝殿に進んで鈴を鳴らし、お賽銭を納めて、二礼二拍手一礼。

後はお神籤を引いたり、お守りを眺めたり、あるいは御朱印を頂いたり、という感じでしょうか。

 

どうでしょう、境内を可能な限り散策していますか? 中には徹底的に時間の許す限り滞在するという方もいらっしゃるでしょう。

 

境内を色々見ていると、おや? と思ったことありませんか?

 

例えば、本殿の裏手に賽銭箱があったりとか。

 

どうしてここに? と気付かれたことありますか?

 

今日はそんな「裏参り」という風習について少しお話しようと思います。

 

裏参りを検索して真っ先に出てくるのが、大阪の今宮戎神社でしょうか。

拝殿前で拝礼して裏手にまわると賽銭箱と銅鑼があり、念押しのお参りをするというものです。

 

曰く、えびす様は耳が遠いから裏手のご神体の近くから銅鑼を鳴らさないと気付いて貰えない。

曰く、かつては前面にまで海が迫り、場合によっては裏からしかお参りできなかった。

曰く、難波は心斎橋の商人が、十日戎の時くらい自分たちを向いて欲しいので、北側の裏手にお参りするようになった。

 

という説があるようです。

 

実は……今宮戎神社の他にも、数社あるんです。

本殿の裏に賽銭箱がある(かつてあった)、あるいは拝所があるという条件を満たしている

「裏参り」できる神社は──

 

下総国一宮の香取神宮。

千葉県銚子市の猿田(さるだ)神社。

相模国一宮の寒川神社。

旧東海道に面する、保土ケ谷の橘樹(たちばな)神社。

群馬県高崎市にある上野国一宮の貫前(ぬきさき)神社の元宮にあたる咲前(さきさき)神社。

 

僕の知る限りでは、こんな所です。

 

香取神宮で巫女さんに尋ねたところ、本殿の裏は神様により近いので折り入ったお願い事をするときに、とのこと。

今宮戎神社同様、神様に近いというのがキーワードのようです。

 

また咲前神社で聞いた話では、人に憚る願い事をするときは、闇に紛れて裏からお参りすることが、かつてあったとのこと。

丑の刻参りを彷彿とさせますが、いずれにしてもより強力に願いを成就させるという力が働くようです。

 

なにやらおどろおどろしいですけれど、つまりは和魂と荒魂という二面性の話ではと思うのです。

拝殿正面が和魂、裏参りが荒魂。

 

例えば、神宮の正宮には天照大神の和魂が、荒祭宮には天照大神の荒魂が祀られていて、正宮では感謝や他己的な願いを伝え、荒祭宮で個人的な祈願を込めるべしと言われます。

 

裏参りが出来る神社では、神宮の正宮と荒祭宮への参拝を一つの社殿の裏表で出来るようにした──と考えると、もろもろ説明がつきますよね。

 

はい、と言うわけで、みなさんも上記の神社にお参りの際は是非両側からお参りして、陰陽のバランスを整えて下さいね。

(寒川神社の裏参りは、昇殿祈祷を受けて、神苑への入苑券を受けた人に限りますのでご注意を)