きつい石段の半ばに差し掛かると、上から何かが降りてくる気配がした。キジトラ猫が軽やかに降りてきて、こちらを見上げて驚いたような顔をした。

猫はそのまま頭を下げながら、すり抜けていった。質素な首輪が見えた。

用を済ませて車に戻ると、タイヤの影でちらりと小さな体が動いた。このまま轢いては大変だと覗き込むと、さっきの猫が隠れていた。

膝をつくと猫は無言で寄ってきて、脇腹を擦り付けてきた。頭を撫でて、顎をさすり、腰を軽く叩いてやると喉を鳴らして寝転んだが、すぐに起き上がって、差し出した指先に鼻をコツンとつけて、スタスタと去っていった。特に追うこともせず、車に乗り込んだ。車道に出る角の所で、猫はビニール袋と戯れていた。

そんな猫が、秩父の聖神社にはいます。