アトピー性皮膚炎のジュクジュクした湿疹をみると、
まるで、「なにか毒をだそうとする反応」にみえるかもしれませんが、「毒」はでていません。

体内に入った「毒」・・・薬物や農薬や重金属などは、
肝臓で胆汁の中にとりこまれ、腸に排出され、便としてでていきます。
残りは、腎臓でろ過され、尿として排出されます。
そして、わずかに汗や毛に含まれて排出されます。

ジュクジュクとした湿疹から排出されるのは、
炎症をおこした肌の血管から染み出した「浸出液=タンパク質やミネラル」です。
ですから、「脱ステロイド」時には、漏出するタンパク質量以上の十分な量を摂ることが大事になります。

そして、ジュクジュクの中に「毒」がいっぱい含まれていることはないです。
ですから、ジュクジュクしたカサブタを赤ちゃんがムシって食べても問題ないです。

アトピー性皮膚炎の湿疹がひどい時に「毒がでている」と考えると、辛い時期を耐えられるのかもしれませんが、
う~ん・・・、「皮膚炎の肌から毒がでている」という研究論文は、ドクターゆきは読んだことがないのです。


一部の「脱ステロイド」の医師に、「塗られたステロイドが酸化(酸化コレステロール)して、肌に蓄積しているので、それの排出」と言っている方もおりますが、
「脱ステロイド後、湿疹が消失したのち数か月~数年後に湿疹の再燃がおこる」ことの理由にならないと思います。この「酸化コレステロールの蓄積説」にも、ドクターゆきは、首をかしげています。

また、国民の約70%が接種したあの「毒(新型コロナワクチン)」が、もし、肌から皮膚炎として排出されるのでしたら、大量にアトピーの患者さんが増えなくてはならなくなりますよね。でも、そういう現象はおきていません。
「毒」の排出は、肝臓と腎臓が頑張っています。

そういうわけで、時々、患者さんが「アトピー性皮膚炎の湿疹は、『毒だし』ですよね」とおっしゃることがありますが、
「医学的には、そういうことは証明されてないです」としか言いようがないです。
患者さんの間で、何を根拠にそういうお話がでてくるのか、不思議に思っています。

ちょっと困るのは、「標準治療のステロイド派」の医師に、
「『アトピーは毒だし』なんて、非科学的なことを言っている。だから、『脱ステロイド』は宗教と同じなんだ。」
と、揚げ足をとられてしまうことです。


乳幼児期は、体重が急激に増え、体表面積が増加します。
その時期に、肌は細胞分裂回数を増やして、どんどん表皮細胞を増加させる必要があります。
乳児期は、特に、顔の面積が急激に増え、関節部位は伸びちぢみするための表面積が必要です。
その細胞分裂が追い付かない部位に皮膚炎が生じやすいのです。

乳幼児のアトピー性皮膚炎は、発達過程における一過性の皮膚炎ですから、
十分な肌機能が発達するまで、栄養状態を改善し、見守るのが「ノンステロイド治療」です。

しかし、「ステロイド外用薬」を塗ってしまうと、その「依存性」により、「ステロイド依存」を生じてしまいます。ステロイド外用薬により、「表皮細胞のコルチゾールを産生する機能」が低下してしまうのです。「表皮細胞自身の抗炎症機能」が低下してしまうので、皮膚炎を繰り返しやすくなります。ですから、ステロイド外用薬を塗ったアトピー赤ちゃんの「脱ステロイド」は、治るのに時間がかかり厄介ですし、一度良くなった後も湿疹を繰り返しやすいです。
依存度を深くしないために、なるべく早く「ステロイド外用薬」を中止し、ボリボリ搔くことで「ステロイド依存状態の表皮細胞」の数を減らし、新しい皮膚をどんどん作らせる作戦をしていきます。
そして、小児⁓成人のアトピーは、ほとんどが、この「ステロイド依存」で生じていると考えています。使用した「ステロイド外用薬」の影響が、こんなに長く続くなんて、予想しなかったことだとおもいます。


・・・・結論として、「脱ステロイド&脱保湿」を実践する脱ステロイド医師は、「アトピーは『毒だし』ではない」と考えています。
ですから、毒だしのためにと、水分を大量にとらせたり、過剰に汗をかかせすぎることは、「保湿」になるので逆効果になってしまいます。