「１歳７か月から、湿疹がでて、２週間ステロイド外用して中止したところ、
湿疹が全身に広がって、痒がって大変だという脱ステロイド２か月半」のママからコメントがあったので、
返信を書きましたが、
あまりにも長くなってしまい、文字数がオーバーして、全部を送ることができませんでした。
そこで、
同じような悩みをもっていらっしゃるママにも読んでいただきたいので、
こちらに全文を載せますね。
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１歳７か月から湿疹がでたということは、
もともとがアトピー体質だったわけではなさそうです。
発症するまで、ベビー石鹸、ベビーシャンプーを使用して洗って、保湿剤を塗っていたのではないでしょうか。（現在の赤ちゃんケアがそういうことになっているので仕方ないですが）
もしくは、小食で、あまり食事をとらない子ですか？（ビタミンＢ・タンパク質・亜鉛・鉄・ビタミンＤが足らない子供が多いです）
もし、そうだとすると、このお子さんは、アトピー体質ではなく、
洗浄剤や保湿剤、栄養障害により「肌バリア」が破壊され、
さらに、ステロイド外用薬を塗ったので「ステロイド誘発性皮膚症（ステロイドを塗ることでよけいに湿疹がひどくなる現象）」が加わって、
「人工的に作られたアトピー」の可能性があります。
そうだとすると、単純に、それらの原因を改善していれば、
気をもまなくても、順調に改善していきます。
「しっかりなんでも食べて、
週１～２回の１分のお湯だけシャワーのみで、
保湿剤やステロイド外用薬は使わない。
自由に掻かせて、外で沢山遊んで、ニコニコして見守ってあげる。」
それだけで、肌は勝手になおっていきますし、跡にも残りませんし、白内障にもなりません。
ジュクジュクが乾くようになり、掻くと出血するようになり、
カサブタが沢山くっついている時期が続き、搔いていくうちに、カサブタがとれて新しい皮膚になっていきます。
脱ステロイド２か月半で、今の状況なのは、大変でしょうが、そういうものなので、問題ないです。
焦らず、時間薬で治っていきます。
どの位で症状が治まるかは、個人差があるので断言はできませんが、
そんなにステロイド外用薬を使ってないので、必ず良くなるので大丈夫です。
同じようなお子さんの大勢のママが、「脱ステロイドで、こんなに良くなりました！」と、湿疹が改善し喜んでいます。
ママが選択した、「ステロイド外用薬を塗らない方法」は、適切な方法です。
ママが今かかえている、「家族に理解されない」「他人からどうしたの？と言われる」「病院の医師におかしな親だと思われる」「痒くてつらくて眠れない、見た目がひどいことに耐える」という悩みは、
「今」、お子さんの代わりにママが受け止めるか、
もしくは、
「将来」、お子さんがご自身で受けとめるか、
の違いだと思います。
このまま「ステロイド外用薬を塗る標準治療」を継続すると、
おそらく、お子さんが「将来」、
「家族に理解されない」「他人からどうしたの？と言われる」「病院の医師におかしな患者だと思われる」「痒くてつらくて眠れない、見た目がひどいことに耐える」という悩みを受け止めることになります。
実際、湿疹の良くなった子に、幼少期の脱ステロイド時のひどい時の写真を見せても
「？」という顔をします。覚えてないそうです。
本人にとって、乳児～幼児の湿疹の辛さは、そういう程度なのだと思います。
１歳８か月で、「脱ステロイド」の選択を選んでもらえて、
本当に良かったと思います。
現在、当クリニックでは、「ステロイド耐性難治性アトピー」＝「ステロイド誘発性皮膚症（＝ステロイド依存症））」の方が大勢いらっしゃいます。
しかし、３歳以降までステロイド外用薬を使用している方が、脱ステロイドをすることの困難や苦痛は、皆さんの想像をはるかに超えています。
「脱ステロイド」で完全に治るということはなく、何度も湿疹の再燃を繰り返します。耐えきれず、「ステロイド外用薬」に戻る患者さんも大勢いらっしゃると思います。
「脱ステロイド」を選択せず、
「ステロイド外用薬を塗る治療」を続けているアトピーの患者さんもいらっしゃいますが、
皆さん、肌の赤黒さや皮膚委縮、赤ら顔、結節性痒疹（大豆大～親指大の結節が沢山できる）、苔癬化（肌がぼこぼこもりあがっている）などの副作用を生じながら、ステロイド外用薬を塗っていますし、
中学生で白内障の手術を受けた方もいるし、５０代で失明した方もいらっしゃいます。
そういう方たちに、「デュピクセント」の説明をしても、高価で手がだせないとおっしゃいます。
「できたら、もっと幼少時に、ステロイド外用薬を使わない方針にしていたらよかったのに。
もっといいのは、ステロイド外用薬を使うことがなければ、こんなに苦しまないのに。」というのが、正直な気持ちです。
早くに「ステロイド外用薬を塗らない選択」をしていただいて、meyudaさんのお子さんは、本当にラッキーです。そういう選択のできるママを選んで生まれてきて本当に良かったと、お子さんも思ってると思いますよ。