ステロイドを中止すると、
湿疹が悪化します。

ステロイドを塗っていなかったところにも、
湿疹が広がって、
皆さんびっくりします。

それをリバウンドといいます。



皮膚は、成人なら「畳一枚分のひとつの臓器」
なので、
皮膚の一部にステロイドを塗ると、
他の表皮細胞にも情報がいきます。

「ステロイドが空から降ってきたよ!」
という情報が、
全身の表皮細胞の中で、バズります。
そして、記憶されます。


さらに、
一部にステロイドを塗っても、
そこを触った手で、
あちこち触ってるので、
いつの間にか、
思っているよりも、全身の広めに
ステロイドがくっついています。



それで、
ステロイドを塗るのを止めると、
その情報もバスります。

「ステロイドが降ってこない!
緊急事態だよ!!」
わーっと、全身の表皮細胞に情報がいくので、

わーっと、湿疹が悪化します。

個人差はありますが、
2週間〜2ヶ月位まで、悪化が続き、
その後、ゆっくりおさまっていきます。


それは、
ステロイドに対する依存度の度合いが
それぞれ違うのと、
脱ステロイドの方法が違うので、

すんなり治まる方もいれば、
ずいぶんひどい湿疹がなが引いて
大変な思いをする方も
いらっしゃいます。


いずれにしても、
間違った方法をしなければ、
ステロイドのリバウンドは、
皆さん必ず治まります。


残念ながら、
このリバウンドは、
今後の人生で、何度も訪れます。

でも、
「何もしなくても治る」ということが
分かってるので、
「また、リバウンドきてしまいましたが、
何とか頑張って乗り越えます」


何度も訪れるリバウンドに、
くたびれて、
ステロイド塗るのを再開する方もいらっしゃいます。

脱ステロイドを上手くサポートできなかったのは、非常に残念に思いますが、

ステロイド再開も、
「その方の人生なので、ご自身の選択が正解」なのだと思います。

脱ステロイド先輩医師は、
「間違った方法をしてると、
リバウンドから、なかなか抜け出せない。」
とおっしゃいます。

何が間違っているのかを
探って、お伝えするのも、
脱ステロイド医師としての役割なのだと思います。

ただし、
「脱ステロイドガイドライン」ってのが、
定まってないので、
先輩医師の経験則から、
正解を探っていかなくてはなりません。