6年前に、

デュピクセントという注射が発売(2018年承認)になったときに、

皮膚科の学会会場では、

「まだ、

長期的な副作用が分からない薬なので、

慎重に経過をみるようにしてもらいたい」

という意見がありました。


初期の頃、死亡者は1名で、

デュピクセントを開始したら、

アトピーに併発していた喘息が良くなり、

ステロイド吸入を止めていたところ、

(記憶では)デュピクセントを中止したのち、

喘息発作が悪化して亡くなられた、

と聞きました。


そのため、

デュピクセントを開始して、

喘息が改善しても、

ステロイドの吸入の中止については、

慎重に、となってます。



喘息もステロイド依存を併発してると

予想しております。

気管にステロイド離脱によるリバウンドが起こると、相当、大変であろうと思います。



外用薬については、

デュピクセント発売当初から、

「デュピクセントを開始し、皮膚炎が改善しても、

ステロイド外用薬や保湿剤を塗らせる指導が大事。」

と皮膚科学会で言われてます。


皮膚科学会には、

「難治化したアトピーは、ステロイド外用薬の副作用によるもの」という認識がなく、

その可能性を示唆する意見も、

全くありません。


脱ステロイド医師達や患者会が、

ステロイド外用薬を使用しない治療について

論文発表したり、

ステロイド外用薬を使わない治療の選択が可能になるように署名活動しても、

注目されることはありませんし、

話題にもなりません。


学会では、

ステロイド外用薬依存の難治性アトピーに、

デュピクセントを使っても、

ステロイド外用薬を塗らせ続けるので、

皮膚炎が治まらない患者さんの症例報告がみられます。

その患者さんは、

オルミエントやリンヴォックという免疫を抑制させるリウマチに使う内服薬を追加したそうです。


オルミエントは2歳から、リンヴォックは12歳からの難治性アトピーに、処方できるようになりました。


一昨年頃、

オルミエントを処方されたアトピーの患者さんが

間質性肺炎で入院した、

と知人医師から聞きました。


製薬会社の営業担当者の話では

オルミエントやリンヴォックは、

リウマチの患者さんの薬で、

今まで大勢に処方されており、

投与前に肺のレントゲン検査、肝炎ウイルスや結核の検査をクリアしたら、

副作用はたいして問題ない薬、

という説明です。


いや~、製薬会社は、薬を売りたいからそういう説明でしょうが、

間質性肺炎になり、肺が線維化して、

運動能力が低下したりしたら、

それは、人生を変える大変な副作用ですよ。



製薬会社の営業担当者は、

「割合としては、わずかで、

滅多に起こらない副作用ですから。」

というけれど、

誰に起こるかわからない、

ルーレットのような副作用ですから、

絶対起こらない、とは言えません。


それらを大勢の患者さんが、

大学病院で処方されてます。


ステロイド外用薬でコントロール不能になったアトピーの患者さんは、

今、そういう治療に誘導されています。



ですから、

「赤ちゃんのアトピーは、

ステロイド外用薬でコントロールしましょう。

ステロイド外用薬は、適切に使えば問題ない薬です。」

という言葉に乗せられて、

ホイホイ塗っているうちに、


その行き先には、


ステロイド外用薬によりコントロール不能になり、

「ステロイド外用薬でコントロールが困難なので、デュピクセントを使いましょう」

とか、

「オルミエントやリンヴォックを使ってコントロールしましょう」

と言われる患者さんが大勢いるという現実があります。

いずれも、根本治療ではなく、対症療法ですから、使用中は湿疹が抑えられても、中止すると、また、湿疹がでてきます。



それらが、

ステロイド外用薬の副作用により難治化したアトピーだ、

ということに医師たちが気づくまで、

あと何年かかることか。


医師に期待せず、

ご自身の家族を守る、ことに徹しましょう。



ところで、


ステロイド外用薬でコントロール不能になったけれど、頼れる医師が居なかったため、

一人で脱ステロイドを成功(リバウンドを乗り越え、乾燥肌や軽い湿疹の状態)させた

アトピーの女性に、

デュピクセントの使用について

質問したことがあります。

5年前頃のことで、デュピクセントが発売されて1年後頃のことです。



そうすると、

「私が脱ステロイドをした当時は、

そういう薬がなかったので、

脱ステロイドのリバウンドの辛さを

耐えなければならなかったけれど、

そういう薬があったなら、私は使いたかった」

とおっしゃられました。




デュピクセントの長期的な副作用は、

世界中の誰も知りません。


先日の学会では、

「サイトカインを抑え続けることが、

本当に大丈夫なのだろうか、

と疑問に思うことがある。

そう思いながらも、私は患者さんに使ってますが。」

とおっしゃった医師もいました。



デュピクセントは、

IL4とIL13を抑制することで、

寄生虫に対する免疫が抑制されたり、

結膜の粘液分泌が抑制されたり、

他のサイトカインが上昇し、

免疫耐性が抑えられたり、

乾癬皮疹がでることがあることがわかっており、

それを長期に続けると、どうなるか、

本当に予想がつきません。



本当に、どうなるかわからない薬ですが、

この6年間で

大した副作用がないところをみると、

オルミエントやリンヴォックを使うよりは、

マシなのではないか、と思います。



脱ステロイドのリバウンドが過酷なために、

挫折する患者さんや

生活が困難になっている方

を大勢みておりますと、

患者さんの希望であれば、

デュピクセントに頼って、

脱ステロイドする選択もありかな、

と思います。


しかし、今度は、

デュピクセントをいつまで続けるか、

という問題に直面しますので、

悩ましいところです。


止めると、また、湿疹がでてくるでしょうから、

その時は、デュピクセントを使わずにいられるかが疑問です。



ステロイド外用薬を使い始めると、

それを手放すのは、

本当に大変ですので、

できましたら、

はじめから、

「ステロイド外用薬を使わずに、

アトピーや乳児湿疹を治す」

という選択をして欲しいです。

それを願ってブログを書いております。



そうすれば、

デュピクセントを使うか使わないか、

悩む未来もありません。