天上界と餓鬼界
仏教で教えられる六道（六つの迷いの世界）
の中に天上界という世界と
餓鬼界という世界がある。
天上界とは楽しみの多い世界だが
天人の五衰といわれる苦しみがある。
この苦は同じく六つの世界のなかの地獄の苦の１６倍だと説かれているらしい。
頂点から叩き落される苦というのは余程大きなものであるのだろう。
この世で見られるとすれば、カルロスゴーンか、月に行きたい人の様なものだろう。
餓鬼界とは、常に飢えと渇きに苦しむ世界であるが、
無財餓鬼と有財餓鬼というものがあり、
無財餓鬼はその名の通り、食べ物飲み物が全くないために苦しんでいるが
有財餓鬼とは、食べ物、飲み物があるにもかかわらず、
口の中に入れようとすると青白い炎になって食べられないという状態。
同じく、飢えと渇きに苦しんでいるものである。
外から見れば、天上界の住人のような彼らも、
内面は手に入れても手に入れても満たされることのない、
心からの満足ということのないことからいえば
餓鬼界の有財餓鬼といえるかもしれない。
見た目は天上界、内面は有財餓鬼。
身はいやしくとも畜生に劣らんや
家は貧しくとも餓鬼に勝るべし。
彼らと比較すれば今の境遇も
喜べるものかもしれない。