落とし物 | 2Uglassのブログ

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吹きガラス制作

駅に停車した物音で目を覚ます。

隣に座っていた2人連れが目の前を通り過ぎ、降りていくのを視界の隅で確認して、目を閉じようとすると、足下に切符が落ちている。
その切符を買った駅名と運賃、そして時刻を見る限り、この車両に乗っている人の持ち物と思って間違いなかった。

もしかしてたった今、目の前を通り過ぎた隣の人の物なんだろうか。
だとすると、これを拾って届けた方がいいんだろうか。

その考えを行動に移すイメージを頭の中で想像してみる。
まずはさっと拾って、ダッシュでホームに降りる。
いや、ホームに出る直前でドアが閉まるかもしれない。
ホームから電車に駆け込む人には開かれることがあるドアも、内側から外に出る人に対しては無慈悲なんじゃなかろうか。

とりあえずそこはいいとして、ホームに出たとしよう。
まずはその人がどちらに向かっているかを見つけなくてはいけない。
待てよ、その人の顔かたちや服装なんかをきちんと確認しただろうか?
その人がわからないままホームを右往左往して、
結局その人は改札で泣く泣く料金を払っていたとしたら、何をしているんだかわからない。


***

というような想像を一通りしながら、残りの2駅の間を過ごした。
拾ってあげられなくてすいません、と思いながら。