壇上のヒーロー | 2Uglassのブログ

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吹きガラス制作

ステージ上で次々にポーズを決めていくワコーさんから目を離すことができなかった。

それはたぶん3人ともそうだったに違いないと思う。
他の2人が何を思いながら見ていたのかはわからないけれど、
会場へ着くまでに抱いていた、たった10分ほどの審査時間のためだけに席料を払うことへの不満はすっかり消えてしまっていた。
むしろ、どうせ見るならもっと近い場所で見るべきだったと後悔するほどだった。


たぶん、映画などの登場人物に感情移入するように、
ステージ上のワコーさんに自分の何かしらの想いを投影していたのかもしれない。

苦しみながら減量をし、来る日も来る日も自分を痛めつけ、
仕事そっちのけでポージングの練習に励んでいた姿と、ステージ上で堂々と振る舞う姿とが重なる。
滑稽にしか見えなかった日常が、整えられた舞台の上では全て裏返しになって見えたことに、何よりも心が動かされたように思う。


***

結果を知らせるメールがムラカミさんに届いたので、すぐに店を出た。

妙に晴れ晴れとした表情で「楽しかった」と言うワコーさんの目が忘れられない。
憑き物が落ちたようなという表現は、きっとああいうことを言うのだと思う。

長い間ずっと、この時を待ち望んでいたのだろう。
あらゆるものを解放し、解放された喜びに比べたら、審査結果など取るに足らないものだったのだろう。