土曜の朝はできるだけのんびりしてから出かけたい気持ちと、
なるだけ早く吹き場に着いておきたい気持ちとが交錯する。
テレビをつけずにいつも通り過ごしていると、いつもよりも少しだけ時間がかかる身支度。
そのくらいでちょうどいいと頭ではわかっていつつも、
時々ケータイを開いては時間の確認をしてしまう。
(あと10分で部屋を出ないとあの電車に乗り遅れる・・)
あの電車に乗ったところで、9時半から始まる講座には間に合わない。
でも、それを逃してしまったら、いつもよりもさらに遅れてしまうのだ。
部屋を出て、すたすたと歩幅を広げてぐいぐい歩いてゆく。
前を行く年配の女性を一息で追い抜き、駅前の信号も無視してホームに駆け下りる。
タイミングよく到着した電車に乗り込み、時計を見ると、いつも通りに間に合っていた。
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「調子の悪い時には野菜を細かく刻んでやる」
その文章は確か「日々ごはん」で読んだものだったけれど、
高山ふとんシネマを最近読んでいる影響で頭に浮かんできたのかもしれない。
それは、咀嚼する気力も消化する力もない時は、
せめて包丁を使って吸収を助けようということだと思うけれど、
これって歩くことにも言えるのではないかということに、ふと思い当たったのだった。
疲れているけどそれでも歩かなくてはならない時、歩幅を小さくすることを心がけて歩く。
登山の時と同じように、同じ歩幅を細かく刻んで。